高気圧酸素治療について
当院は高気圧酸素治療装置を有する医療機関です。また、高気圧酸素治療安全協会入会施設となっております。
高気圧酸素療法【HBOT:hyperbaric oxygen therapy】
〇高気圧酸素治療とは
高気圧酸素治療装置は、気密したタンクの中で酸素の圧力を大気圧以上にあげ、血液中に溶けている酸素の量を増やし、身体の隅々まで酸素を行き渡らせる効果があります。その効果を利用して低酸素症状を改善し色々な疾患を治療しようとするものです。治療は、タンク内に入り、普通の気圧から2絶対気圧に気圧を上げ、100%酸素で約90分間過ごしていただくことになります。この治療は、1回/日10~30回行います。
〇高気圧酸素治療で症状改善が望まれる主な症状
下記の症状がある場合、三友堂病院にご相談ください。
- 褥瘡:とこずれがなかなか治らない。
- 蜂窩織炎:ふくらはぎが赤く腫れていて、熱がある。
- 突発性難聴:突然耳が聞こえなくなり、原因不明のめまいや耳鳴りがある。
- 脳梗塞:麻痺がある。
〇高気圧酸素治療中
臨床工学技士が付き添いますので、ご安心ください。タンク内でもインターホンを通じて会話ができますし、治療の間にテレビもご覧になることができます。具合が悪くなった場合は、遠慮なくおっしゃってください。また、タンク内に入り、治療を始めてから3~5分くらいすると、耳が少し痛くなることがあります(飛行機に乗った時や、列車がトンネルに入った時の症状)。そうなった場合には、耳抜きをしていただきます。
〇高気圧酸素治療の適応
(一連につき10回まで)
- 急性一酸化炭素中毒、その他のガス中毒
- 重症軟部組織感染症、頭蓋内膿瘍 *治りにくい感染症に効果が期待できます。
- 急性末梢血管障害
- 脳梗塞
- 重症頭部外傷後、開頭術後の意識障害、脳浮腫
- 重症の低酸素脳症
- 腸閉塞
(一連につき30回まで)
- 網膜動脈閉塞症
- 突発性難聴
- 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
- 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害 *糖尿病による足の壊死や褥瘡も治療の対象となります。
- 皮膚移植
- 脊髄神経疾患
- 骨髄炎又は放射線障害
〇治療日時
月曜日~金曜日 午前9時00分~午後5時00分
・①9時00分 ②10時30分 ③14時00分 ④15時30分 (4回/日)
・治療時間は1回60分
※加圧、減圧の際にゆっくり行いますので、トータルして90分程度の治療時間となります。
〇治療室内に持ち込めないもの
高気圧酸素装置は100%酸素を使用しますので燃えるもの、燃えやすいもの、壊れやすいものは持ち込むことができません。
担当医師:平井一郎(副院長)
・日本高気圧環境・潜水医学会 専門医、評議員