1.看護部長挨拶
三友堂病院は、明治19年の開院以来、時代のニーズに即した医療提供体制の構築に努めて参りました。変化する医療環境を鑑み将来の医療構想を検討する中で、当院は令和5年11月、隣接する米沢市立病院と医療の機能分化を実施し、主に回復期医療を担う病院として新設されました。回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、緩和ケア病棟を有し、急性期治療後の患者さんの機能回復と社会への早期復帰を目指しております。また、慢性期人工透析や人間ドック等の保健予防活動にも力を入れております。
看護部は、「患者さんの意思を尊重し、信頼される質の高い看護を提供する」ことを理念とし、教育体制の充実を図り、確かな知識と看護実践力、そして豊かな人間性をもって看護の高みを目指しております。
病院では、外来・入院・在宅と患者さんの治療過程のあらゆる段階で、切れ目のない適切な医療が提供できるよう、医師、薬剤師、介護福祉士、看護補助者、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカー等、多くの専門職種が協働しております。我々看護師は、患者さんやご家族の最も身近にいる存在であることを自覚し、多職種と真のチーム医療を実践することで、地域の皆様方に安全で質の高い医療・看護が提供できるよう努めて参ります。
2.回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血等)や脊髄損傷、大腿骨頚部骨折等の患者さんが対象となり、急性期治療を終了した患者さんが自宅退院に向け集中的にリハビリテーションを行う病棟です。患者さんの個別性に合ったリハビリを専門スタッフが重点的に実施するほか、リハビリ時間以外にも食事、排泄、洗面、入浴、更衣など入院生活のすべての場面がリハビリであるという考えのもと、リハビリ計画を立案いたします。計画にはリハビリスタッフの他、医師、看護師、看護補助者、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど様々な職種のスタッフが関わり、患者さんの日常生活動作の改善、自宅への退院を目指してサポートしています。
3.地域包括ケア病棟
地域包括ケア病棟は、急性期治療後の経過観察と療養が必要な患者さんや在宅療養中に一時的に入院が必要となった患者さんの主に退院調整をする病棟です。患者さんが在宅に戻った時に、その人らしく生活できる身体と環境を整えるために、入院前の生活状況を把握したうえで、在宅復帰を見据えた看護を提供しています。
患者さんやご家族が抱える不安を解決するために、医師、薬剤師、栄養士、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーなどの専門職やケアマネージャー、訪問看護師など地域の専門職と共同して退院を調整していきます。
4.緩和ケア病棟
緩和ケア病棟は、がんやがんの治療によって生じる身体やこころのつらさを和らげることを目的とした病棟です。一般個室8部屋・シャワーとミニキッチン付きの特別個室2部屋、2床室6部屋の計22床を有します。キッチンを備えた明るく広々とした談話室・サンルームでは、患者さんとご家族がゆっくりとくつろぐことができるほか、季節ごとの行事も開催しますので、穏やかな時間を過ごすことができます。
緩和ケアに関する専門的な知識や技術を持った多くのスタッフがチーム医療を実践し、患者さんやご家族との十分な話し合いのもと、在宅希望に応えるなど、患者さんの意向を尊重した最良の緩和医療を提供いたします。
5.外来
当院の外来は、慢性期医療、在宅の後方支援、慢性期人工透析、緩和ケア、在宅医療、人間ドック・健診等を担います。特に、慢性閉塞性肺疾患や外科・整形外科等の術後、急性期治療後の心疾患や消化器疾患、脳血管や運動器のリハビリテーションについて継続的に支援を行っています。看護師は、患者さんの在宅での生活に焦点を当て、困りごとやつらさ、問題点等を限られた時間の中で速やかにキャッチし、患者さんが安心して質の高い生活ができるよう、地域の医療機関とも連携を図りながら、シームレスな看護の提供に努めています。
6.透析室
透析室は、慢性期人工透析患者さんを受け入れるにあたり、ベッド数を50床とし、一人一人のスペースを十分に確保した環境を整えています。月曜日から土曜日まで、1日複数クール制とし、月・水・金は就労者を中心に夜間透析も実施しています。看護師・臨床工学技士が混合でチーム編成し、チーム毎の患者受け持ちやカンファレンスの充実を図ることで、治療や高齢化に伴うADLの低下、合併症に早期に対応できるよう情報を共有しています。また、院内多職種チームとの連携はもちろん、院外の医療機関との連携を図りながら、患者さんの個別性にあった、安心・安全で質の高い透析医療の提供に努めています。