「緑内障患者」に新治療 三友堂病院で導入
(一財)三友堂病院(仁科盛之院長)は、4月に保険適用となった緑内障の進行を遅らせる「バルベルト緑内障インプラント手術」を正式に導入した。これまでの手術でも進行を遅らせることができず、打つ手がなかった緑内障患者にとって、県内で唯一、同病院で治療が受けられるようになった。
緑内障によって一度欠けてしまった視野は元には戻らず、現在のところ、初期患者に対しては目薬での点眼治療や目薬でも効果が見られなかった場合は、線維柱帯切除術・切開術やトラベクトームという眼球に穴や出口を広げて房水を排出させ、眼圧を下げる手術が行われている。しかし統計データによると、およそ半数が術後5年以内に再手術が必要となる。眼球の構造上、何度も手術はできないという制約もあるため、その後の進行には、打つ手がなかった。
緑内障によって一度欠けてしまった視野は元には戻らず、現在のところ、初期患者に対しては目薬での点眼治療や目薬でも効果が見られなかった場合は、線維柱帯切除術・切開術やトラベクトームという眼球に穴や出口を広げて房水を排出させ、眼圧を下げる手術が行われている。しかし統計データによると、およそ半数が術後5年以内に再手術が必要となる。眼球の構造上、何度も手術はできないという制約もあるため、その後の進行には、打つ手がなかった。
今回のバルベルト緑内障インプラントでは、これまでの手術でも効果が見られなかった患者に対して、細いチューブの付いたバルベルトを眼内に留置させ、長期的に中の水を排出する眼圧コントロールを行うもの。同病院では他の病院に先駆けて、約10年前からバルベルトインプラント手術を行っていたが、これまで入手が困難だったことや保険適用外ということもあり、実際に手術を行ったのは3件のみだった。
今年4月からは日本でも保険が適用され、同病院は、県内で初めて正式に取り入れることを決定。費用面でも今までよりも容易に手術を受けることが可能になるなど、緑内障患者にとって新たな希望の光が差し込まれた。術後については、1週間程度の入院が必要となる。
緑内障は視神経が障害を受けて萎縮し、視野が狭くなる進行性の病気。40歳以上では、20人に1人が罹患しているというデータもある一方で、自覚症状がなく、日本人の失明原因の第一位とされている。
同病院では1日あたりの緑内障の受診者数は約30人ほど。蒲山順吉医師と昭和大学から派遣される医師の2人で対応しており、蒲山医師は、近い将来、実証されていけばバルベルトインプラント手術が緑内障で最初からの手術となる可能性を指摘。「緑内障は失明する病気と思われがちだが、バルベルトインプラントは新たな一つの光。安心してほしい」と呼びかけている。