三友堂病院

                          がん登録担当部 診療部(がん診療部門)

                                  人事企画部 秘書課

目次

1.はじめに

2.院内がん登録の登録方法とデータの種類

3.院内がん登録統計

 a.がん登録患者数(院内がん登録データベースより)

部位別・登録年別統計(表1 図1)、部位別・診断年別統計(表2 図2 図3)、H25年 三友堂、山形県、全国 部位別比較(表3 表4 図4 図5)

性別・登録年別統計(表5  図6)、性別・診断年別統計(表6 図7)、発見経緯別・診断年別統計(表7  図8  図9)、主要部位別発見経緯(図10)

部位別年齢分布(表8 図11)

 b.がん患者数統計(がん患者名簿データベースより)

部位別・診断年別統計(表9 図12 男、表10 図13 女)、部位別・転帰(表11 図14 H27年、表12 図15 H21-26年、表13 図16 H20年以前)

ステージ別転帰H27, 全がん患者(表14 図17 表15 図18 図19)、部位別年齢H27、全がん患者(表16 図20 表17 図21)

ステージ別生存年数H27,全がん患者(表18 図22 表19 図23 図24)、部位別ステージ分類H27, 全がん患者(表20 図25 表21 図26)

部位別・初期治療H27,全がん患者(表22 図27 表23 図28)

 c.当院の主要がん(胃、大腸、乳腺、肺、前立腺)登録患者統計(院内がん登録データベースより

胃癌 治療・検査、アプローチ(部位別、施行年別)、術式、組織型、累積生存率(表24 表25 表26 図29 表27 表28 図30)

大腸癌 治療・検査、アプローチ(部位別、施行年別)、術式、組織型、累積生存率(表29 表30 表31 図31 表32 表33 図32)

乳癌 治療・検査、術式、主要腫瘤占拠部位、組織型、累積生存率(表34 図33 表35 表36 図34)

前立腺癌 治療・検査(表37)、肺癌 治療・検査(表38)

 d.術後再発、転移、多重癌等に関する統計(がん患者名簿データベースより)

術後再発、転移、重複癌等発見までの期間、再発率(胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌)(表39 表40 表41 表42 図35

4.結果

5.まとめ

6.さいごに

7.文献

1.はじめに

 

 三友堂病院の院内がん登録は平成21年から開始した。当初は、医師が作成した「山形県悪性新生物患者届出票」を電子データとして登録していた。しかし、秘書課で行っている様々な診療データ入力時1)、未登録状態のがん患者を見つけることが多かった。そこで、平成23年から未登録状態の患者の届出票を秘書があらかじめ作成し、電子カルテに一時保存をする。その一時保存された届出票を医師が最終点検し電子カルテに本保存をするという方法に切り替えた。それにより未登録状態のがん患者は大幅に減少した。

 また、今年からはじまる全国がん登録の開始に備えて国立がん研究センター がん対策情報センターが開発した「院内がん登録支援ソフト Hos-CanR Plus 」2)を入手し、平成26年11月から入力を開始した。これは、全国での標準登録様式にしたがった院内がん登録の入力方法を用いており、標準登録様式に沿わなければエラーが発生する。そのため、がん登録の整合性を確認するのに非常に役立った。これは、平成29年から開始される全国がん登録オンラインシステムに入力する際には、非常に有効となる。

 今年は、国立がん研究センター がん対策情報センターで公表しているホームページ上のPDFファイルの中から「がん診療連携拠点病院 院内がん登録 2013年全国集計 報告書」3)を参照し、当院との比較を試みた。

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2.院内がん登録の登録方法とデータの種類

 

a.院内がん登録の収集方法

 

 当院の院内がん登録は、医師が、電子カルテに「山形県悪性新生物患者届出票」(以下届出票)を登録した時点からデータの収集が開始される。これは、今年から始まる全国がん登録の登録様式とは異なる様式ではあるが、診断日が平成27年までのがん患者は、この様式での届出をすることになっており、まだ今後も必要な書類であること、さらに、全国がん登録の登録様式は発表にはなっているものの、実際には使用されることなく、平成29年から始まる全国がん登録オンラインシステムでの登録に移行することになることなど、現在、全く稼働していないため、最終的にどのようなものになるかがはっきりしていない状態にあること、また、全国がん登録の届出様式にはTNM分類の項目がないことなど、様々な理由から現在使用している届出票の方が当院では医師によるがん患者の基本情報として、電子カルテに保存しておくのに適当ではないかなどの理由からこの届出票を当分の間利用し、医師が電子カルテに登録することが決定された。

b.院内がん登録の登録対象

 

 1) がん患者と診断した場合(他病院からのがん患者の紹介含む)

 2) がん患者を手術した場合(同一科の場合、手術後に登録)

 3) がん患者が死亡した場合

※山形県の地域がん登録事業からは、同一部位の場合上記1~3のうちどちらか1回のみの提出でと依頼されている。しかし、院内がん登録は、生存年数把握のために、発症時及び死亡時は必ず記載するよう医師に依頼している。

c.生存年数の基本日およびステージ別転帰

 

 1) 平成 27年に受診して生存が確認されたがん患者は、基本日を平成27年12月31日として生存   年数を計算した。

 2) 平成 27年に受診しなかったがん患者は、生存年数を不明とした。

 3) 平成27年までの間に死亡したがん患者の生存年数は、死亡日を基本日とし生存年数を計算し   た。

 4) ステージ別転帰は平成27年12月31日までの間の動向を転帰で表した。

※上記は、電子カルテを使用し受診の有無を調べた。

d.多重がんの生存年数およびステージ分類

 

 多重がん患者の生存年数およびステージ分類は、基本的には、診断日の早い方のがんを基準としているが、数ヶ月の間に多重がんがみつかった場合にはステージ分類の重い方を診断日の基準として使用した。

e.院内がん登録用のデータベース

 

 当院の院内がん登録用のデータベースは、医師から収集した届出票に基づいて登録を行う一患者複数データ、つまり発症時、死亡時、多重がん等、一患者に発行される届出票の枚数と同じデータ件数を登録するデータベースとそれらの情報を追加更新しながら登録する1患者1データ方式のがん患者名簿用データベースの二つに分けられている。院内がん登録用のテータベースには、届出票の情報と主要がん(胃癌、大腸癌、乳癌)の詳細情報を登録し、もう一つのがん患者名簿用のデータベースは、毎年基本日を更新することにより生存年数を計算し、さらにステージ別転帰や、術後からがん再発または多重がん発症までの年数、初期治療情報や、死亡情報、紹介先の情報、化学療法の情報など様々な情報を入力している。

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3.院内がん登録統計

 

a.がん登録患者数(院内がん登録データベースより)

 

1) 部位別

 a)登録された全てのがん患者(新規発生登録、死亡時登録)の延べ数を年別に表した(表1)。また、平成21年~27年までの全てのがん登録患者を部位別・登録年別のグラフで表した(図1)。

 b)登録された全てのがん患者の内、死亡届などで同一部位での二重届出を省いた新規発生患者を診断年別に表した(表2)、また、同一方法で平成21年~27年までのがん登録患者を部位別・診断年別のグラフで表した(図2)

 c)平成21年~27年までの全ての新規発生がん患者を、診断年別、部位別の比率で表した(図3)。また、国立がん研究センター がん対策情報センターで公表しているホームページ上のPDFファイルに「がん診療連携拠点病院 院内がん登録 2013年全国集計 報告書」(以下2013年全国集計)がある。その中の部位別での統計の中から山形県及び全国の集計を抽出し比率を割り出し比較した3)(図3)。

 d)診断年が平成25年の新規発生登録がん患者を男女別に分類し、2013年全国集計から山形県及び全国の集計4)を抽出し比較した(表3、表4、図4、図5)。

2)性別

 a)登録された全てのがん患者の延べ数を登録年別の性別で表した(表5、図6)。

 b)登録された全ての新規発生がん患者を診断年別の性別で表した(表6、図7)

3)発見経緯別

 a)登録された全ての新規発生がん患者を診断年別、発見経緯別で表した(表7、図8)。

 b)また、平成21年~27年の新規発生がん患者を診断年別の発見経緯別で比率を表した(図9)。また、図9の中に2013年全国集計の発見経緯別集計から山形県及び全国の集計5)を抽出し比率を割り出して当院と比較した。尚、この集計には自覚症状がなかったため、当院の自覚症状とその他を合算したものと、山形県、全国集計に表示されているその他を比較することにした。

  c)当院で多く登録される主要癌(胃、大腸、乳腺、肺、前立腺)の新規発生がん患者を発見経緯別の比率で表した(図10)。

4)部位別がん患者年齢分布

 登録された全ての新規発生がん患者を、部位別、年齢別で表した。年齢は、がん登録記載月日を基本日として計算した(表8、図11)。

表1 がん登録患者 部位別・登録年別統計(延べ数)

 

部位

H20

以前

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

合計

C34

肺癌

10

50

55

67

91

87

88

88

536

C15

食道癌

12

5

9

8

9

7

12

11

73

C16

胃癌

237

50

56

62

105

97

88

78

773

C18

結腸癌

131

46

40

38

62

52

52

48

469

C20

直腸癌

68

27

21

17

33

33

18

26

243

C22-25

肝・胆・膵

18

46

37

 40

 50

 53

 36

27

 307

C50

乳癌

 149

 19

 21

 21

 27

 31

 34

33

 335

C61

前立腺癌

 1

 2

 12

 45

 49

 43

61

 213

C67

膀胱癌

 4

 1

 5

 24

 21

 35

28

 120

C68

泌尿器関連癌

 0

 5

 4

 4

 12

 16

14

 55

C57

婦人科系癌

 6

 3

 2

 1

 5

 6

4

 27

その他の癌

 32

 7

 11

 14

 18

 31

 11

29

 153

合計

 659

 261

 261

 290

 469

 478

 439

447

 3304

 

図1


表2 がん登録患者 部位別・診断年別統計(多重がん含む)

 

部位

H20

以前

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

合計

H25

山形県

H25

全国

C34

肺癌

46

47

48

40

59

52

56

49

397

 787

70218

C15

食道癌

21

5

10

8

6

6

5

4

65

 250

20016

C16

胃癌

302

53

53

61

73

66

63

32

703

1267

72682

C18

結腸癌

159

47

35

39

40

38

26

32

416

 780

 58184

C20

直腸癌

91

21

14

24

23

23

13

12

221

422

30762

C22-25

肝・胆・膵

42

39

34

 37

 25

 36

 21

11

 245

596

 55111

C50

乳癌

 173

 15

 24

 29

 21

 28

 17

16

 323

646

62650

C61

前立腺癌

45

 10

11

 21

 30

 20

 19

40

 196

734

48297

C67

膀胱癌

28

 9

 6

 11

 12

 6

 19

18

 109

287

19646

C68

泌尿器関連癌

10

 5

 4

 3

 3

 7

 10

8

 50

238

17442

C57

婦人科系癌

8

 4

 4

 2

 0

4

 3

0

 25

497

42122

その他の癌

 43

 15

 7

 16

 19

 15

 8

17

 140

1568

132361

合計

 968

 270

 250

 291

 311

 301

 260

239

 2890

8072

629491

図2

図3

表3 平成25年院内がん登録部位別比較 男       

   三友堂病院、山形県、全国

            (多重がん含む)

部位

三友堂

山形県

全国

 

図4

4

肺癌

 41

 564

 48269

 

C16

胃癌

 45

 890

 51006

 

C18

結腸

 16

 440

 33238

 

C20

直腸

 16

 283

 19905

 

C20-25

肝胆膵

 22

 344

 33843

 

C61

前立腺

 20

 734

 48297

 

C

その他の癌

 20

 1420

 117859

 

合計

 180

 4675

 352417

 

表4 平成25年院内がん登録部位別比較 女

   三友堂病院、山形県、全国

            (多重がん含む)

部位

三友堂

山形県

全国

 

図5

C34

肺癌

 11

 223

 21949

 

C16

胃癌

 21

 377

 21676

 

C18

結腸

 22

 340

 24946

 

C20

直腸

 7

 139

 10857

 

C20-25

肝胆膵

 14

 252

 21268

 

C50

乳癌

 27

 641

 62299

 

C

その他の癌

 19

 1425

 114079

 

合計

 121

 3397

 277074

 

表5 がん登録患者

 性別・登録年別統計(延べ数)

登録年・性別

合計

 

図6

H20年以前

291

368

659

 

H21年

124

137

261

 

H22年

147

114

261

 

H23年

185

105

290

 

H24年

309

160

469

 

H25年

314

164

478

 

H26年

293

146

439

 

H27年

264

183

447

 

合計

1927

1377

3304

 

表6 がん登録患者

 性別・診断年別統計(多重がん含む)

登録年・性別

合計

 

図7

0年以前

486

482

968

 

H21年

156

114

270

 

H22年

149

101

250

 

H23年

177

114

291

 

H24年

196

115

311

 

H25年

180

121

301

 

H26年

168

92

260

 

H27年

145

94

239

 

合計

1657

1233

2890

 

表7 発見経緯別・診断年別統計(多重がん含む)

登録年・発見経緯

がん健診

健診・ドック

他疾患の経過観察中

自覚症状

その他

合計

H20年以前

50

193

197

420

108

968

H21年

22

19

91

126

12

270

H22年

15

20

71

128

16

250

H23年

19

18

116

120

18

291

H24年

16

33

118

129

15

311

H25年

7

44

111

123

16

301

H26年

0

39

105

99

17

260

H27年

18

28

105

85

3

239

合計

147

394

914

1230

205

2890

 図8

図9

                                                                  

図10

表8 部位別がん患者年齢分布(多重がん含む)

臓器別

20代

30代

40代

50代

60代

70代

80代

90代以上

合計

C34 肺癌

1

0

7

18

70

135

142

24

397

C15 食道癌

0

0

1

6

23

21

13

1

65

C16 胃癌

0

6

24

67

178

214

172

42

703

C18 結腸癌

1

2

12

48

90

129

103

31

416

C20 直腸癌

0

2

5

40

57

59

47

11

221

c22-25肝胆膵

0

0

3

20

53

75

77

17

245

C50 乳癌

1

10

62

59

86

62

35

8

323

C61 前立腺癌

0

0

0

5

41

79

60

11

196

C67 膀胱癌

0

2

1

8

14

31

47

6

109

C68 泌尿器関連癌

0

1

2

4

5

13

18

7

50

C57 婦人科系癌

0

1

5

4

3

6

3

3

25

C    その他の癌

0

2

14

15

28

34

38

9

140

合計

3

26

136

294

648

858

755

170

2890

                                                                                    

図11

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b.がん患者数統計(がん患者名簿データベースより)

1) 部位別、性別

 a)がん患者名簿データベースに登録された男性のがん患者を診断年別に分類したものと、全登録数及び全生存患者数に分類し、部位別の比率で表した。(表9、図12)。

  b)がん患者名簿データベースに登録された女性のがん患者を診断年別に分類したものと、全登録数及び全生存患者数に分類し、部位別の比率で表した。(表10、図13)。

2) 部位別、転帰別

 a)診断年が平成27年のがん患者を転帰別に表した(表11、図14)

 b)診断年が平成21年~平成26年のがん患者を転帰別に表した(表12、図15)

  c)診断年が平成20年以前のがん患者を転帰別に表した(表13、図16)。

3) ステージ別転帰

 a)平成27年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者をステージ別に下記の方法で表した(表14、図17)。

 ①生存:平成27年に当院を受診した患者は生存とした。

 ②死亡(癌死):平成27年までの間に死亡した場合を死亡とし、死亡診断書の直接死因、死因原因欄にがんの診断が記載されていた場合を癌死とした。

  ③死亡(他疾患):平成27年までの間に死亡した場合を死亡とし、死亡診断書の直接死因、死因原因欄にがんの診断が記載されていない場合を他疾患による死亡とした。

 ④死亡(他からの連絡):平成27年までの間に、他医療機関、その他関係施設や家族からの連絡及び情報提供等が有った場合を他からの連絡による死亡とした。

 ⑤死亡(年齢調整、90歳以上):平成27年の間に当院を受診せず、平成27年12月31日の基本日で90歳以上の方を死亡(年齢調製、90歳以上)とし、その後の更新を来院するまで点検しないようにした。

 ⑥不明(来院無し):平成27年までの間に、他院への転院等の理由もなく受診しなかった場合を不明(来院無し)とした。

 ⑦不明(他院へ):平成27年までの間に、他院へ転院した場合、不明(他院へ)とした。

 ⑧不明(施設へ):平成27年までの間に、施設へ入所した場合、不明(施設へ)とした。

  b)平成27年登録を含む全てのがん患者の実数も同様に統計処理を行った(表15、図18)。

  c)平成27年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者と全てのがん患者の実数を転帰別に%で表した(図19)。

4) 部位別年齢分布

 a)平成27年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者を部位別の年齢分布で表した(表16、図20)。年齢は、生存者の場合は平成27年12月31日を基本日とし、平成27年までの間に死亡した患者の場合は死亡日を基本日とした。また、転帰不明の患者3名は生死が判別できないため、年齢を計算することができないので分析から除外した。

  b)平成27年登録を含む全てのがん患者の実数も同様に統計処理を行った。転帰不明の患者232名及び90歳以上の年齢調整死亡の患者71名は分析から除外した(表17、図21)。

5) ステージ別生存年数

 a)平成27年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者をステージ別に生存年数を表した(表18、図22)。転帰が不明の患者の場合、生存年数を不明とした。また、表18の( )内には平成27年までの間に死亡した患者の実数を表した。生存年数は、がんと診断した年月日から前述の基本日までの期間を生存年数とした。なお、診断日が紹介等で詳細が不明などの理由で記載されていなかった場合は下記のように診断日を設定した。

 例① 診断日が平成27年の場合、平成27年1月1日とした。

  例② 診断日が平成27年3月の場合、平成27年3月1日とした。

 b)平成27年登録を含む全てのがん患者の実数も同様に統計処理をおこなった(表19、図23)。

 c)平成27年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者と全がん登録患者の生存年数を%で表した(図24)

6) 部位別ステージ分類

 a)平成27年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者を部位別ステージ分類で表した(表20、図25)。表20の( )内には平成27年までの間に死亡した患者の実数を表した。

 b)平成27年登録を含む全てのがん患者の実数も同様に統計処理を行った(表21、図26)。

7) 部位別初期治療

 a)平成27年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者の初期治療について部位別に表した(表22、図27)。

 b)平成27年登録を含むすべてのがん患者の実数も同様に統計処理を行った(表23、図28)

表9 部位別・診断年別統計(男・多重がん含まず)

部位

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

全生存者

全登録数

C34 肺癌

29

33

28

36

36

29

30

50

250

C15 食道癌

3

9

5

4

2

4

2

20

46

C16 胃癌

30

34

34

40

38

37

9

198

387

C18 結腸癌

20

14

20

17

10

15

16

96

179

C20 直腸癌

11

7

13

12

15

8

5

64

122

C22-25肝胆膵

17

13

19

12

18

10

3

15

111

C61 前立腺癌

10

10

21

27

17

16

37

130

179

C67 膀胱癌

7

4

5

7

3

10

9

43

64

C68 泌尿器関連癌

4

2

0

1

2

4

4

15

25

C    その他の癌

11

4

8

6

7

2

4

17

54

合計

142

130

153

162

148

135

119

648

1417

                                                                         

図12

表10 部位別・診断年別統計(女、多重がん含まず)

部位

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

全生存者

全登録数

C34 肺癌

 12

12

11

12

10

19

15

42

102

C15 食道癌

0

0

0

1

1

0

0

1

4

C16 胃癌

20

11

17

20

17

13

13

110

215

C18 結腸癌

18

17

10

15

17

9

10

80

176

C20 直腸癌

10

4

9

9

6

3

6

48

76

C22-25肝胆膵

20

19

15

12

12

7

7

12

107

C50 乳癌

12

21

24

20

26

11

15

210

288

C67 膀胱癌

0

1

4

3

0

0

4

8

17

C68 泌尿器関連癌

1

1

3

0

3

4

2

7

15

C57 婦人科系癌

4

3

2

0

4

2

0

5

21

C    その他の癌

3

3

4

9

8

5

10

36

70

合計

100

92

99

101

104

73

82

559

1091

図13

表11 がん患者の転帰(診断年 平成27年)

診断日

H27年

全登録者

生存者

死亡&年齢調整

(90際以上)

 

 図14

C34 肺癌

45

30

15

 

C15 食道癌

2

2

0

 

C16 胃癌

22

15

7

 

C18 結腸癌

26

23

3

 

C20 直腸癌

11

10

1

 

C22-25肝胆膵

10

2

8

 

C50 乳癌

15

14

1

 

C61 前立腺癌

37

36

1

 

C67 膀胱癌

13

12

1

 

C68 泌尿器系癌

6

6

0

 

C    その他の癌

14

9

5

 

合計

201

159

42

 

表12 がん患者の転帰

   (診断年 平成21年~26年)

診断日
H21~26年

全登録者

生存者

死亡&年齢調整

(90歳以上)

生存

不明者

 

                                                       

図15

C34 肺癌

267

54

196

17

 

C15 食道癌

29

9

15

5

 

C16 胃癌

311

154

127

30

 

C18 結腸癌

182

74

81

27

 

C20 直腸癌

107

67

22

18

 

C22-25肝胆膵

174

17

150

7

 

C50 乳癌

115

88

13

14

 

C61 前立腺癌

101

74

17

10

 

C67 膀胱癌

44

26

15

3

 

C68 泌尿器系癌

25

11

14

0

 

C     その他の癌

84

24

55

5

 

合計

1439

598

705

136

 

表13 がん患者の転帰(診断年 平成20年以前)

診断日H20年以前

全登録者

生存者

死亡&年齢調整

(90歳以上)

生存

不明者

 

                                                               

図16

C34 肺癌

40

8

30

2

 

C15 食道癌

19

10

9

0

 

C16 胃癌

269

139

92

38

 

C18 結腸癌

147

79

52

16

 

C20 直腸癌

80

35

33

12

 

C22-25肝胆膵

34

8

24

2

 

C50 乳癌

160

109

28

23

 

C61 前立腺癌

41

20

20

1

 

C67 膀胱癌

24

13

11

0

 

C68 泌尿器系癌

9

5

4

0

 

C    その他の癌

45

24

19

2

 

合計

868

450

322

96

 

表14 H27年がん登録患者 ステージ別転帰

stage分類

生存

死亡

不明

合計

癌死

他疾患

他からの

連絡

年齢調整

(90以上)

来院無し

他院へ

stage 0

25

0

0

0

0

0

0

25

stageⅠ

72

1

3

0

0

0

2

78

stageⅡ

35

1

1

0

0

0

0

37

stageⅢ

29

5

0

0

0

1

0

35

stageⅣ

29

36

2

3

0

0

0

70

不明

11

10

4

1

0

0

0

26

合計

201

53

10

4

0

1

2

271

                                                   

図17

表15 全がん登録患者 ステージ別転帰

stage分類

生存

死亡

不明

合計

癌死

他疾患

他からの

連絡

年齢調整

(90歳以上)

来院無し

他院へ

施設へ

stage 0

82

0

4

0

3

11

6

1

107

stageⅠ

566

63

57

3

22

46

56

2

815

stageⅡ

269

68

25

4

25

23

28

0

442

stageⅢ

178

173

22

9

11

12

24

1

430

stageⅣ

78

477

8

8

6

5

11

1

594

不明

34

65

11

1

4

1

4

0

120

合計

1207

846

127

25

71

98

129

5

2508

                                                         

図18

                                                          

図19

表16 H27年がん登録患者 部位別・年齢別統計

部位

30代

40代

50代

60代

70代

80代

90以上

合計

C34 肺癌

0

1

2

11

19

19

3

55

C15 食道癌

0

0

0

0

2

2

0

4

C16 胃癌

0

0

3

5

11

10

5

34

C18 結腸癌

1

0

1

10

10

5

1

28

C20 直腸癌

0

0

6

4

1

4

1

16

C22-25肝胆膵

0

0

1

3

4

7

3

18

C50 乳癌

0

1

5

2

4

5

2

19

C61 前立腺癌

0

0

0

13

17

15

5

50

C67 膀胱癌

1

1

1

3

4

6

0

16

C68 泌尿器系癌

0

1

2

1

0

3

1

8

C    その他の癌

0

3

1

4

6

4

2

20

合計

2

7

22

56

78

80

23

268

                                                                             

図20

表17 全がん登録患者 部位別・年齢別統計

部位

20代

30代

40代

50代

60代

70代

80代

90以上

合計

C34 肺癌

1

0

3

10

58

103

133

21

329

C15 食道癌

0

0

0

2

10

13

18

2

45

C16 胃癌

0

0

6

28

94

151

184

49

512

C18 結腸癌

0

1

4

14

42

82

105

42

290

C20 直腸癌

0

0

1

16

31

49

55

11

163

C22-25肝胆膵

0

0

2

17

36

61

73

18

207

C50 乳癌

0

1

13

45

62

61

54

8

244

C61 前立腺癌

0

0

0

1

31

60

60

14

166

C67 膀胱癌

0

1

2

4

13

22

27

7

76

C68 泌尿器系癌

0

1

2

4

4

8

16

4

39

   その他の癌

0

1

9

12

28

32

41

11

134

合計

1

5

42

153

409

642

766

187

2205

                                                                

図21

表18 H27年がん登録患者 ステージ別生存年数

生存年数

stage 0

stageⅠ

stageⅡ

stageⅢ

stageⅣ

不明

合計

1年未満

21

59(2)

26(1)

29(3)

54(31)

13(8)

202(45)

1~3年未満

2

4

5

1

10(4)

2(1)

24(5)

3~5年未満

0

0

0

1(1)

2(2)

0

3(3)

5~10年未満

2

8(1)

4

0

7(5)

4(2)

 25(8)

10年以上

0

5(1)

2(1)

3(1)

0

4(3)

14(6)

不明

0

2

0

1

0

 0

 3

合計

25

78(4)

37(2)

35(5)

73(42)

 23(14)

 271(67)

                ( )内死亡患者数

                                                                

図22

表19 全がん登録患者 ステージ別生存年数

生存年数

 stage 0

stageⅠ

stageⅡ

stageⅢ

stageⅣ

不明

合計

 1年未満

23(1) 

 86(23)

55(27)

129(101)

 373(347)

51(46)

717(545)

 1~3年未満

 16

 141(31)

 72(19)

 88(56)

 122(91)

 22(13)

 461(210)

 3~5年未満

 12(1)

 120(16)

 65(12)

 47(16)

 37(32)

 11(6)

 292(83)

 5~10年未満

 14(1)

 136(18)

 72(17)

 57(18)

 30(21)

 8(3)

 317(78)

 10年以上

 20(1)

 213(44)

 110(30)

 63(14)

 12(3)

 15(8)

 433(100)

 不明

 22(3)

 119(13)

 68(17)

 46(10)

 23(6)

 10(4)

 288(53)

 合計

 107(7)

 815(145)

 442(122)

 430(215)

 597(500)

 117(80)

 2508(1069)

                                 ( )内死亡患者数

                                                               

図23

                                                             

図24

表20 H27年がん登録患者 部位別、ステージ分類

部位

stage 0

stageⅠ

stageⅡ

stageⅢ

stageⅣ

不明

合計

C34 肺癌

0

10(1)

4

8(2)

27(12)

6(5)

55(20)

C15 食道癌

0

3

0

0

0

1

4

C16 胃癌

0

21(1)

1

3

9(8)

3(1)

37(10)

C18 結腸癌

7

2

6

9

4(3)

0

28(3)

C20 直腸癌

5

2

1(1)

5(1)

2(1)

1(1)

16(4)

C22-25肝胆膵

1

3(1)

2

2(1)

9(8)

1

18(10)

C50 乳癌

3

5(1)

6

2(1)

3(1)

0

19(3

C61 前立腺癌

0

23

13

3

8(3)

3(3)

50(6)

C67 膀胱癌

8

5

1

0

2(2)

0

16(2)

C68 泌尿器系癌

1

4

0

2

1

0

8

C    その他の癌

0

0

3(1)

1

8(4)

8(4)

20(9)

合計

25

78(4)

37(2)

35(5)

73(42)

23(14)

271(67)

                    ( )内死亡人数

図25

表21 全がん登録患者 部位別、ステージ別分類

部位

stage 0

stageⅠ

stageⅡ

stageⅢ

stageⅣ

不明

合計

C34 肺癌

0

81(30)

22(12)

115(89)

124(101)

10(9)

352(241)

C15 食道癌

3

15(2)

6(3)

12(8)

13(11)

1

50(24)

C16 胃癌

13(2)

332(63)

55(17)

71(35)

110(96)

21(13)

602(226)

C18 結腸癌

30(2)

78(11)

84(28)

94(36)

64(54)

5(5)

355(136)

C20 直腸癌

22(1)

41(3)

43(11)

60(18)

25(18)

7(5)

198(56)

C22-25肝胆膵

1

20(10)

30(20)

20(12)

137(131)

10(9)

218(182)

C50 乳癌

16

122(8)

105(18)

24(4)

16(9)

7(3)

290(42)

C61 前立腺癌

0

57(3)

72(7)

11(3)

34(22)

5(3)

179(38)

C67 膀胱癌

20(2)

36(11)

8

3(2)

13(12)

1

81(27)

C68 泌尿器系癌

1

14(2)

3(2)

5(1)

13(9)

4(4)

40(18)

C    その他の癌

1

19(2)

14(4)

15(7)

48(37)

46(29)

143(79)

合計

107(7)

815(145)

442(122)

430(215)

597(500)

117(80)

2508(1069)

                                  ( )内死亡人数

                                                                         

図26

表22 H27年がん登録患者 部位別、初期治療

 部位

2

3

4

5

6

7

8

合計

 C34 肺癌

1

0

0

17

11

6

14

6

55

 C15 食道癌

0

 0

 1

 0

 0

 0

 1

 2

 4

 C16 胃癌

 9

 5

 5

 3

 3

 5

 6

 1

 37

 C18 結腸癌

 8

 9

 7

 0

 1

 1

 1

 1

 28

 C20 直腸癌

 8

 1

 5

 1

 0

 0

 1

 1

 17

 C22-25肝胆膵

 3

 0

 0

 2

 4

 5

 2

 3

 19

 C50 乳癌

 10

 0

 0

 6

 0

 1

 13

 0

 30

 C61 前立腺癌

 9

 0

 0

 19

 1

 4

 0

 4

 37

 C67 膀胱癌

 14

 0

 0

 1

 0

 0

 0

 1

 16

 C68 泌尿器系癌

 2

 5

 0

 0

 0

 1

 0

 0

 8

 C    その他の癌

 5

 0

 0

 0

 4

 5

 4

 2

 20

 合計

 69

 20

 18

 49

 24

 28

 42

 21

 271

1:手術、2:体腔鏡的手術、3:内視鏡的手術、4:化学療法・内分泌療法

5:緩和ケア、6:姑息・対症療法、7:他院へ紹介、8:その他

                                                                         

図27

表23 全がん登録患者 部位別、初期治療

部位

1

2

3

4

5

6

7

8

合計

C34 肺癌

13

1

0

107

99

38

74

20

352

C15 食道癌

10

1

3

3

5

7

14

7

50

C16 胃癌

312

48

86

20

57

43

20

16

602

C18 結腸癌

233

29

35

7

17

23

4

7

355

C20 直腸癌

140

7

26

3

7

8

4

3

198

C22-25肝胆膵

28

1

0

26

73

60

10

20

218

C50 乳癌

242

0

0

20

1

3

21

3

290

C61 前立腺癌

59

0

0

76

6

6

25

7

179

C67 膀胱癌

69

0

0

2

4

1

0

5

81

C68 泌尿器系癌

19

8

0

1

4

6

0

2

40

C    その他の癌

45

2

0

3

33

23

26

11

143

合計

1170

97

150

268

306

218

198

101

2508

1:手術、2:体腔鏡的手術、3:内視鏡的手術、4:化学療法・内分泌療法

5:緩和ケア、6:姑息・対症療法、7:他院へ紹介、8:その他

                                                                                

図28

目次に戻る

c.当院の主要がん(胃、大腸、乳腺、肺、前立腺)登録患者統計(院内がん登録データベースより)

 

1) 胃癌

 a)胃癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表24)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録70件は、この統計から省いた。

 b)胃癌登録患者のうち根治術およびESD・EMR施行患者で詳細データ入力済みの307例について占拠部位別にアプローチを表した(表25)。 

  c)胃癌登録患者のうち根治術およびESD・EMR施行患者で詳細データ入力済みの307例について手術施行年別にアプローチを表した(表26、図29)

 d)胃癌登録患者のうち根治術およびESD・EMR施行患者で詳細データ入力済みの307例について占拠部位別に手術術式を表した(表27)。

 e)胃癌登録患者のうち根治術およびESD・EMR施行患者で詳細データ入力済みの307例について占拠部位別に組織型を表した(表28)。

 f)平成20~27年に胃癌の根治術を施行した患者の累積生存率を表した(図30)。尚、生存率計算は、手術年月日から生存が確認された年月日までの期間をカプランマイヤー法を使用した。

2) 大腸癌

 a)大腸癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表29)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録75件は、この統計から省いた。

 b)大腸癌登録患者のうち根治術およびESD・EMR及びポリープ切除術施行患者で詳細データ入力済みの350例について占拠部位別のアプローチを表した(表30)。

  c)大腸癌登録患者のうち根治術およびESD・EMRおよびポリープ切除術施行患者で詳細データ入力済みの350例について手術施行年別にアプローチを表した(表31、図31)

 c)大腸癌登録患者のうち根治術およびESD・EMRおよびポリープ切除術施行患者で詳細データ入力済みの350例について占拠部位別に手術術式を表した(表32)

 d)大腸癌登録患者のうち根治術およびESD・EMRおよびポリープ切除術施行患者で詳細データ入力済みの350例について占拠部位別に組織型を表した(表33)。

 e)平成20~27年に大腸癌の根治術を施行した患者の累積生存率を表した(図32)。統計は胃癌と同様の方法で行った。

3) 乳癌

  a)乳癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表34)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録12件は、この統計から省いた。

  b)乳癌登録患者のうち、根治術を施行した患者の詳細データ入力済み136例について、主たる腫瘤占拠部位を表した(表35)。

 c)乳癌登録患者のうち、根治術を施行した患者の詳細データ入力済み136例について、手術術式を表した(図33)。

 d)乳癌登録患者のうち、根治術を施行した患者の詳細データ入力済み136例について、組織型を表した(表36)。

 e)平成20~26年に乳癌の根治術を施行した患者の累積生存率を表した(図34)。統計は胃癌と同様の方法で行った。

4) 前立腺癌

 前立腺癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表37)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録17件は、この統計から省いた。

5) 肺癌

 肺癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表38)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録139件は、この統計から省いた。

表24 胃癌 治療・検査診断

診断年

根治術

根治術以外

ESD・EMR

生検

組織診以外

他院診断で不明

合計

H20以前

244

3

33

19

2

1

302

H21

22

0

10

19

1

0

52

H22

23

1

8

19

2

1

54

H23

22

4

10

23

2

0

61

H24

34

1

11

27

0

0

73

H25

17

1

20

22

6

0

66

H26

24

1

13

24

1

0

63

H27

12

0

8

12

0

0

32

合計

398

11

113

165

14

2

703

表25 胃癌 アプローチ(部位別)

 

A:開腹

E:内視鏡

L:腹腔鏡・腹腔鏡補助

合計

U:上部

48

10

3

61

M:中部

79

31

14

124

L:下部

55

49

16

120

G:食道胃接合部

2

0

0

2

合計

184

90

33

307

表26 胃癌 アプローチ(施行年別)

施行年

A:開腹

L:腹腔鏡・腹腔鏡補助

E:内視鏡

合計

H20以下

53

9

6

68

H21

18

2

12

32

H22

23

1

8

32

H23

17

5

10

32

H24

28

4

10

42

H25

19

2

21

42

H26

19

3

12

34

H27

7

7

11

25

合計

184

33

90

307

                                     

図29

表27 胃癌 手術術式

 

DG:

TG:

PG:

PP:

LE:

SR:

MR:

OT:

合計

U:上部

3

29

16

0

3

0

10

0

61

M:中部

50

24

3

9

5

1

31

1

124

L:下部

62

5

0

3

1

0

49

0

120

G:食道胃接合部

0

2

0

0

0

0

0

0

2

合計

115

60

19

12

9

1

90

1

307

DG:幽門側胃切除、TG:胃全摘、PG:噴門側胃切除、PP:幽門保存胃切除

LE:胃局所切除、SR:胃分節切除、MR:EMR・ESD、OT:その他

表28 胃癌 組織型

 

pap:

tub1:

tub2:

sol:

non:

sig:

muc:

GIST:

CND:

MIS:

不明

合計

U:上部

1

19

16

9

8

2

0

3

1

1

1(腺癌)

61

M:中部

5

43

36

15

10

7

2

4

1

0

1(腺癌)

124

L:下部

6

65

29

10

6

1

2

1

0

0

0

120

G:食道胃接合部

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

2

合計

12

128

81

34

24

10

5

8

2

1

2

307

pap:乳頭腺癌、tub1:高分化型管状腺癌、tub2:中分化型管状腺癌、sol:充実型低分化腺癌、non:非充実型低分化腺癌

sig:印環細胞癌、muc:粘液癌、GIST:医長管間質性腫瘍、CND:カルチノイド腫瘍、MIS:その他の癌

                                                                         

図30

表29 大腸癌 治療・検査診断

診断年

根治術

根治術以外

ESD・EMR

生検

組織診以外

他院診断で不明

合計

H20以前

222

5

13

5

3

0

248

H21

50

1

4

7

6

2

70

H22

35

6

0

4

4

0

49

H23

29

2

16

9

7

0

63

H24

36

0

12

13

2

0

63

H25

36

2

13

7

3

0

61

H26

23

1

7

7

2

0

40

H27

24

0

11

3

5

0

43

合計

455

17

76

55

32

2

637

表30 大腸癌 アプローチ(部位別)

 

開腹

腹腔鏡補助下

経肛門的

内視鏡

合計

A:上行結腸

43

4

0

5

52

T:横行結腸

34

5

0

4

43

D:下行結腸

8

3

0

3

14

S:S状結腸

56

9

0

26

91

C:盲腸

19

5

0

2

26

V:虫垂

1

0

0

0

1

Rs:直腸S状部

26

4

0

7

37

Ra:上部直腸

26

1

1

10

38

Rb:下部直腸

30

2

5

10

47

P:肛門管

1

0

0

0

1

合計

244

33

6

67

350

表31 大腸癌 アプローチ(施行年別)

施行年

開腹

腹腔鏡補助

経肛門

内視鏡

合計

H20以下

52

0

2

1

55

H21

46

1

2

4

53

H22

34

2

0

0

36

H23

26

1

2

16

45

H24

34

0

0

12

46

H25

26

8

0

14

48

H26

13

10

0

8

31

H27

13

11

0

12

36

合計

244

33

6

67

350

                                   

図31

表32 大腸癌 手術術式

 

RH

LH

S

PC

HA

LA

H

A

I

E

T&L

合計

A:上行結腸

40

0

0

1

0

0

0

0

6

5

0

52

T:横行結腸

11

2

0

26

0

0

0

0

0

4

0

43

D:下行結腸

0

3

1

6

1

0

0

0

0

3

0

14

S:S状結腸

0

0

35

1

20

4

3

1

0

26

1

91

C:盲腸

11

0

0

0

0

0

0

1

12

2

0

26

V:虫垂

1

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1

Rs:直腸S状部

0

0

0

0

20

10

0

0

0

7

0

37

Ra:上部直腸

0

0

0

0

3

23

1

0

0

10

1

38

Rb:下部直腸

0

0

0

0

0

9

0

23

0

10

5

47

P:肛門管

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

0

1

合計

63

5

36

34

44

46

4

26

18

67

7

350

RH:結腸右半切除、LH:結腸左半切除、S:S状結腸S津所、PC:結腸部分切除

HA:高位前方切除、LA:低位前方切除、H:Hartmann手術、A:腹会陰式直腸切断術

I:回盲切除、E:EMR・ESD・ポリープ切除、T&L:腫瘍切除&局所切除

表33 大腸癌 組織型

 

pap:

tub1:

tub2:

sol:

non:

sig:

muc:

scc:

CND

MIS

不明

合計

A:上行結腸

9

15

22

2

1

0

3

0

0

0

0

52

T:横行結腸

5

13

22

2

0

0

0

0

0

1

0

43

D:下行結腸

0

4

10

0

0

0

0

0

0

0

0

14

S:S状結腸

7

29

52

1

0

0

1

0

0

0

1(腺癌)

91

C:盲腸

1

9

11

3

1

1

0

0

0

0

0

26

V:虫垂

0

0

1

0

0

0

0

0

0

0

0

1

Rs:直腸S状部

5

9

22

0

0

0

1

0

0

0

0

37

Ra:上部直腸

2

10

24

0

0

0

1

0

1

0

0

38

Rb:下部直腸

1

9

33

0

0

0

0

0

2

2

0

47

P:肛門管

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

0

1

合計

30

98

197

8

2

1

6

1

3

3

1

350

pap:乳頭腺癌、tub1:高分化型管状腺癌、tub2:中分化型管状腺癌、sol:充実型低分化腺癌

non:非充実型低分化腺癌、muc:粘液癌、scc:扁平上皮癌、CND:カルチノイド腫瘍、MIS:その他の癌

                                                

図32

表34 乳癌 治療・検査診断

診断年

根治術

根治術以外

生検

組織診以外

合計

H20以前

164

3

6

0

173

H21

12

0

3

0

15

H22

21

0

3

0

24

H23

23

1

5

0

29

H24

13

1

7

0

21

H25

15

0

12

1

28

H26

10

0

5

0

17

H27

8

0

8

0

16

合計

266

5

49

3

323

                                      

図33

表35 乳癌 主要腫瘤占拠部位

 

左側

右側

両側

合計

A:内上部

24

17

0

41

B:内下部

3

5

0

8

C:外上部

22

35

1

58

D:外下部

6

8

0

14

C’:腋窩部

1

2

0

3

E:乳輪部

5

5

1

11

E’:乳頭部

0

1

0

1

合計

61

73

2

136

表36 乳癌 組織型

 

1-a

1-b

2-a2

2-a3

2-b1

2-b3

2-b6

2-b11

3.Paget’s

合計

A:内上部

4

8

10

13

2

3

1

0

0

41

B:内下部

3

0

3

2

0

0

0

0

0

8

C:外上部

5

8

20

14

3

6

0

2

0

58

D:外下部

1

3

5

3

1

1

0

0

0

14

C’:腋窩部

0

0

2

0

0

1

0

0

0

3

E:乳輪部

1

2

5

3

0

0

0

0

0

11

E’:乳頭部

0

0

0

0

0

0

0

0

1

1

合計

14

21

45

35

6

11

1

2

1

136

1-a:Noninvasive ductal carcinoma, 1-b:Lobular carcinoma in situ, 2-a2:Solid-tubular carcinoma

2-a3:Scirrhous carcinoma, 2-b1:Mucinous carcinoma, 2-b3:Invasive lobular carcinoma,

2-b6:Spindle cell carcinoma, 2-b11:その他の浸潤癌、3.Paget病

                                                                    

図34

表37 前立腺癌 治療・検査診断

診断年

根治術

根治術以外

生検

組織診以外

合計

H20以前

22

1

21

1

45

H21

4

1

4

1

10

H22

5

0

4

2

11

H23

5

0

15

1

21

H24

9

0

20

1

30

H25

6

0

13

1

20

H26

5

0

12

2

19

H27

3

0

34

3

40

合計

59

2

123

12

196

表38 肺癌 治療・検査診断

診断年

根治術

根治術以外

生検

組織診以外

他院診断で

不明

合計

H20以前

6

0

30

9

0

45

H21

5

0

23

19

1

 48

H22

0

0

40

8

0

 48

H23

1

1

32

6

0

 40

H24

2

0

44

13

0

 59

H25

0

0

47

5

0

 52

H26

1

0

46

9

0

 56

H27

1

0

42

6

0

 49

合計

16

1

304

75

1

 397


目次に戻る

 

d.術後再発、転移、多重癌等に関する統計(がん患者名簿データベースより)

 1)胃癌登録患者で外科的根治術または内視鏡によるEMR・ESD施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表39)。

 2)大腸癌登録患者で外科的根治術または内視鏡によるEMR・ESD・ポリープ切除術施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表40)。

 3)乳癌登録患者で外科的根治術施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表41)。

 4)前立腺癌登録患者で外科的根治術施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表42)。

 5)当院で外科的根治術施行が多い胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌登録患者の術後再発・転移または別部位に新たにがんを確認した期間を%で表した(図35)。

表39 胃癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間

 

1年未満

1~3年未満

3~5年未満

5~10年未満

10年以上

合計

Stage 0

6(1)

0

2

0

2

2

12(2)

StageⅠ

260(36)

2(1)

13(2)

3(2)

13(4)

12(8)

303(53)

StageⅡ

39(7)

0

4(3)

2

2(2)

2(2)

49(14)

StageⅢ

44(15)

3(3)

5(3)

0

1

4(2)

57(23)

StageⅣ

17(10)

2

4(2)

0

1(1)

0

24(13)

不明

2

0

0

0

0

0

2

合計

368(70)

7(4)

28(10)

5(2)

19(7)

20(12)

447(105)

                         ( )内死亡患者

表40 大腸癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間

 

1年未満

1~3年未満

3~5年未満

5~10年未満

10年以上

合計

Stage 0

47(3)

3

1

1

52(3)

StageⅠ

95(8)

2

8(1)

4(1)

2

4(2)

115(12)

StageⅡ

91(23)

5(1)

16(7)

5(3)

2

1(1)

120(35)

StageⅢ

85(16)

14(8)

15(6)

9(6)

7(2)

6(1)

136(39)

StageⅣ

33(21)

3(1)

8(7)

1

45(29)

不明

1(1)

1(1)

2(2)

合計

352(72)

24(10)

51(22)

19(10)

12(2)

12(4)

470(120)

                         ( )内死亡患者

表41 乳癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間

 

1年未満

1~3年未満

3~5年未満

5~10年未満

10年以上

合計

Stage 0

12

0

0

0

0

1

13

StageⅠ

96(6)

1

3

2

5(1)

6(1)

113(8)

StageⅡ

73(11)

0

4(1)

4(2)

5(1)

5(1)

91(16)

StageⅢ

15

1

0

1(1)

1

1(1)

19(2)

StageⅣ

1(1)

1

0

0

2(1)

0

4(2)

不明

1

1(1)

0

0

0

0

2(1)

合計

198(18)

4(1)

7(1)

7(3)

13(3)

13(3)

242(29)

                          ( )内死亡患者

表42 前立腺癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間

 

1年未満

1~3年未満

3~5年未満

5~10年未満

10年以上

合計

StageⅠ

12(1)

0

2

1

3

0

18(1)

StageⅡ

28(3)

1

2

0

3(1)

0

34(4)

StageⅢ

3

0

0

0

0

2(1)

5(1)

StageⅣ

1

0

0

0

0

1(1)

2(1)

合計

44(3)

1

4

1

6(1)

3(2)

59(7)

                            ( )内死亡患者

                                                     

図35

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4.結果

 院内がん登録統計a.がん登録統計:1)部位別での統計では、平成27年の登録年別統計及び診断年別統計共々前立腺癌の登録が非常に多かった。今回、平成27年が分析対象の最終年であるが、診断年が最終年の場合、治療方針が決定するまで通常数ヶ月かかり、実際に院内がん登録を行うのは少し後になるため前年の登録数より少なくなるのが普通である。しかし、前立腺癌の場合平成26年診断が19件に対し、平成27年診断の患者が40件と2倍の患者数になっていた(表2、図2)。また、平成26年の前立腺癌の割合が全体の7%に対し、平成27年では17%になっていた(図3)。2013年全国集計から抽出した全国及び山形県の集計を盛り込んだ図3を比較してみると、肺癌の割合が全国11%、山形県10%に対し当院では17%と多く、胃癌の割合が全国12%、山形県16%に対し当院では22%と多かった。また、性別での部位別比較では、男性での肺癌(23%)、胃癌(25%)の割合が全国(肺癌14%、胃癌14%)、県(肺癌12%、胃癌19%)よりも多かった(図4)。女性では胃癌(17%)、結腸癌(18%)の割合が全国(胃癌8%、結腸癌9%)、県(胃癌11%、結腸癌18%)よりも多かった(図5)。2)性別での統計では、平成20年以前及び平成21年での登録では男性より女性の比が若干多かったのに比べ、平成22年登録から徐々に女性の比率が下がり、平成24年~26年にかけての統計では男性に比べて女性の比率が男性の約2分の1という結果になった(表5、図6)。診断年別での統計でも平成26年では男性の55%、平成27年では男性の64%という結果であった(表6、図7)。3)発見経緯別の統計では診断年が平成21年、22年では自覚症状がそれぞれ47%、51%とほぼ半数をしめていた。しかし、少しずつではあるが、がん検診・健診・ドックの割合が伸びてきていて、平成21年ではがん検診・検診・ドックを合わせて15%に対し、平成27年では19%と若干増加してきている。また、他疾患の経過観察中も平成21年、平成22年と比較して平成27年では44%と10%~16%増加していたが全体としてはそれほど大きな変化はなかった(図9)。主要部位別の統計では、乳癌での自覚症状が57%をしめ、前立腺癌では他疾患の経過観察中が58%と高い比率を示した(図10)。4)部位別でのがん患者年齢分布では、60代(648件)、70代(858)件、80代(755件)で全体の78.2%を占めていた。その中で乳癌の年齢分布は、40代での発症が他のがんが5%未満に対し、19.2%の高い比率であった(表8)。

 b.がん患者数統計:1)部位別、性別統計では、男性の場合診断年が平成26年の前立腺癌12%に対し平成27年では31%を占め、全てのがんでの最高の比率をしめしていた(図12)。女性では診断年が平成26年では肺癌が最高の26%であったが、平成27年では肺癌18%、乳癌18%、結腸・直腸癌合わせて19%、胃癌16%とほぼ同率であった(図13)。全生存患者の割合では、乳癌が38%と高い比率を占めていた(図13)。2)部位別、転帰別では診断年が平成27年の場合、肺癌45名中15名の約33.3%が死亡しており、平成21年~平成26年では、267名中196名の73.4%が死亡していた(表11、表12、図14、図15)。3)ステージ別転帰の平成27年登録ではステージⅢで35名中5名の14.3%、ステージⅣで70名中41名の58.6%が死亡していた(表14、図17)。また、全がん登録患者ではステージⅢで430名中215名の50%、ステージⅣで594名中499名の84%が死亡又は年齢調整死亡患者であった(表15、図18)。4)部位別の年齢分布では平成27年のがん登録及び全がん患者の登録のどちらでも80歳代のがん患者をピークに70歳代、60歳代と多かった(表16、表17、図20、図21)。5)ステージ別生存年数では、平成27年登録も全がん患者の登録の集計でもステージⅣでの1年未満での死亡が多く、前者では73名中31名の42.5%、後者では597名中347名の58.1%が亡くなった(表18、表19)。5)部位別ステージ分類では、平成27年登録及び全がん登録での集計の両方とも全体ではステージⅠとステージⅣが最も多かった(表20、表21、図25、図26)、6)部位別、初期治療での集計では平成27年登録で手術、体腔鏡的手術、内視鏡的手術の合計が107件で最も多く39.5%を占めていた(表22、図27)。全がん登録では手術、体腔鏡的手術、内視鏡的手術の合計が1417件で56.5%を占めていた(表23、図28)。

 C.当院の主要がん(胃、大腸、乳腺、肺、前立腺)登録患者統計:1)胃癌での入力されている詳細データから部位別を分析してみると胃中部M、胃下部Lの合計が244件で全体307件の79.5%を占めていた(表25、表27、表28)。術式では、胃中部M、胃下部L共々幽門側胃切除術が最も多く、前者が50件(40.3%)、後者が62件(51.7%)であった。胃上部Uでは、胃全摘術が29件(47.5%)で、噴門側胃切除術が16件(26.2%)であった(表27)。組織型では胃の全ての部位で高分化型管状腺癌が最も多く全体では128件(41.7%)を占めていた(表28)。5年生存率では、ステージⅠで87.45%、Ⅱで80.99、Ⅲで52.52であった(図30)。2)大腸癌の入力された詳細データ350件中、S状結腸91件で最も多く26%、次いで上行結腸52件、下部直腸47件となっていた(表30、表32、表33)。術式別ではEMR・ESD・ポリープ切除の67件(19.1%)が最も多く、次いで結腸右半切除術の63件(18%)であった(表32)。組織型では中分化型管状腺癌が最も多く197件で56.3%を占めていた(表33)。大腸癌の5年生存率では、ステージ0 100%、ステージⅠ 94.98%、ステージⅡ 88.02%、スージⅢで71.48%であった(図32)。3)乳癌での入力されている詳細データから部位別を分析してみると、左右ともA領域、C領域が最も多く、左でAC領域合わせて46件で75.4%、右でAC合わせて52件71%を占めていた(表35)。組織型では浸潤性乳管癌が充実腺管癌と硬癌合わせて80件あり58.8%を占めていた(表36)。術式ではBp Ax(39%)が最も多く次いでBt Ax(34%)となっていた(図33)。5年生存率では、ステージ0 100%、ステージⅠ 96.55%%、ステージⅡが86.99%、ステージⅢが100%となっていた(図34)。4)前立腺癌では、平成27年診断が最も多く平成26年診断の約2倍になっていた(表37)。5)肺癌では毎年の大きな変化はなく平均50名の患者が新規に登録されていた(表38)。

 d.術後再発、転移、重複癌等に関する統計では胃癌、大腸癌では1年~3年未満にかけて再発、転移または別部位に新たにがんが発症する確立が一番高かった(表39、表40)。また、術後の再発率では、胃癌、乳癌が約20%、大腸癌、前立腺癌が約25%のがん患者が再発・転移または別部位に新たにがんが発症していた(図35)。

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5.まとめ

 

 今回の統計では、2013年全国集計を盛り込んだ統計を試みた。全国及び県との比較では肺癌、胃癌、大腸癌の当院の比率が約60%に対し、全国では約40%、県でも約45%となっていた(図3)。これは、当院のがん診療を行う診療科が限られている結果だと思われる。当院には婦人科、血液内科、皮膚科の常勤医師がおらず、非常勤医師による診療が行われている。そのためその他のがんの比率が低く、それに伴い呼吸器及び消化器系の比率が高くなっていた。このことは図4、図5からでも確認することができる。性別での登録数では、当院だけでなく全国的に男性より女性のがん患者が少なくなっていた。表3、表4から全国での統計で男性の約78.6%が女性のがん患者であることがわかった。しかし、当院のがん登録はそれよりも更に下がり、平成27年登録を行った患者では女性は男性の69.3%、平成27年診断での統計でも64.8%という結果であった(表5、表6)。それは、やはり婦人科医師の常勤がいないことが原因だと思われる。発見経緯別での統計では、「がん検診、健診・ドック」の割合は当院、全国、山形県共々大きな差はなかった(図9)。「他疾患の経過観察中」では当院の場合平成25年では37%、平成27年では44%と全国(30%)、山形県(29%)と比較しても比率は高く、診療時のスクリーニングが行き届いているためではないかと思われた(図9)。がん患者名簿からの統計で部位別・診断年別統計の男性がん患者をみてみると平成27年診断の前立腺癌患者が大幅に増えていることがわかった(表9)。当院では、このデータ入力を始める以前には、呼吸器系及び消化器系のがん登録は行っていたが、泌尿器系のがん登録は殆ど行っておらず、平成23年10月からがん登録一時保存を開始してから遡って登録した。そのため、登録年別統計の表1で示すように平成24年からの登録数は大幅に増加していたが、表2の診断年別での件数では大きな変動はなくなってきている。しかし、平成27年に限っては平成26年の2倍になっており、これについて全国的にはどうなのか、今後の全国集計を注意して見る必要がある。ただし、遡って登録してはいるが表2の統計を見てみると平成22年以前の泌尿器系の未登録者はまだ存在している可能性もある。がん患者の転帰では特に肺癌の平成27年登録者をみてみると45名の登録中15名が亡くなっている(表11)。また、平成21~26年を見てみても267名中196名の73.4%の方が亡くなっていた(表12)。これは、診断時すでにステージⅢ、Ⅳの患者が大部分であったためである。ステージⅢ、Ⅳ合わせて平成27年で55名中、35名の63.6%であった(表20)。また、全がん登録患者でみてみると352名中ステージⅢ、Ⅳ合わせて239名の67.9%であった(表21)。これは、がん検診の効果が小さく自覚症状がでてからの医療機関受診が依然として多いということではないだろうか。また、肺癌だけではなくすべてのがんでステージⅢ及びⅣのがん患者が非常に多い。それは、当院の特徴である緩和ケア病棟の存在と三友堂病院地域緩和ケアサポートセンターが行っている活動6)により当院を訪れる終末期がん患者の増加等によるものと思われる。全がん登録患者でステージⅢ(430名)とⅣ(597名)の合計の割合は40.9%になっている(表21)。

 当院では手術症例が多い胃、大腸、乳腺のがんの詳細情報を入力している。近年全国では侵襲の少ない腹腔鏡下の手術を取り入れる傾向が強まっている。当院でも徐々に増加し、平成27年には胃癌、大腸癌共々根治手術の約半数は腹腔鏡下の手術を施行していた(表26、表31、図29、図31)。当院での累積生存率を出す場合、電子カルテ上で生存が確認された年月日で月数を割り出している。本来ならば生存確認が必要ではあるが、個人情報保護法が施行されている現在なかなかその業務は難しく前記で示したような方法で行った(図30、図32、図34)。そのため、来院のない期間はその時点で中止となっているため、もし、生存確認が取れれば公表した表よりも率は上がると思われる。今回公表した累積生存率の消息判明率は胃癌で95.6%、大腸癌で82.6%、乳癌で92.5%であった(図30、図32、図34)。乳癌での腫瘤占拠部位で多かったのは左右共々A(内上部)及びC(外上部)領域であった(表35)。乳癌の場合、他のがんと比較して自覚症状で受診するケースが非常に多い(図10)。しかし、腫瘤が触れた状態での受診でもステージが低い状態が殆どである。そのため、他のがんに比べステージ0~Ⅱの状態で発見されるケースが非常に多い(表21、図26)。そのため、肺癌で31.5%、胃癌62.3%、大腸癌65.3%と比較し85.5%の方が生存している(表21)。つまり、この事実は全国で施行しているがん検診と平行して自己検診を行うことの重要性を示しているのではないか。統計上乳腺全体を触れることはもちろんであるが特にAC領域を念入りに行うのが良いと思われる。

 術後の再発または転移、他の場所への新たながんの発症に関する統計では、胃癌、大腸癌共々1~3年未満で発症するケースが多い。しかし、胃癌では、447名中79名が再発・転移、又は重複がんの発症があり、そのうち40名が1~5年未満での発症となっているが、残りの39名は5年以上、10年以上経過してからも発症している(表37)。その他のがんでも同様であり、乳癌・前立腺癌などの場合、1年~5年未満の発症はかえって少なく、5年以上、10年以上経過してからの発症が多いという結果になっている(表41、表42)。このことから、これまでいわれている、乳癌、前立腺癌に限らず他のがんについても術後5年経過したからと安心せず毎年の定期点検を行うことが非常に重症だと思われる。

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6.さいごに

 

  当院の院内がん登録は、院内のがん患者把握のため、また、生存年数把握のためにその情報を発見したときは、平成21年以前でも登録を行っている。これは、国立がん研究センターがインターネット上で掲載している「院内がん登録実務者のためのマニュアル」に記載されている7)方法とは異なっている。しかし、がん患者の病歴を把握し、現在の状況を知ることは研究のための資料となるだけではなく、病院としても必要であり、過去のデータも遡って入力するようにした。また、がん登録を一時保存する際、「院内がん登録実務者のためのマニュアル」7)を参照して、必要情報を事前に把握してから一時保存を行い、その後に医師に登録をお願いするようにしてから、Hos-CanR Plusにデータを入力する際エラーが殆どなくなった。これは、医師にとっても完成状態で一時保存されているメリットと必要情報がすべて印刷されている状態でチェックを行うため比較的短時間で登録できるメリットがある。平成27年に登録したがん登録のうち、今回、秘書が完成状態で一時保存した件数は447件中404件あり、がん登録の中で重要な項目の一つであるTNM分類を医師が訂正した、又は医師に委ねた比率はわずか3.2%で去年の10%をさらに下回ることができた。これも、秘書に対する当院医師による指導の賜物でであり感謝しているところである。

 当院の院内がん登録は、平成23年11月に認定された「日本がん治療認定医機構 認定研修施設」の所定条件を満たすため、また、院内のがん患者の把握のために平成21年から開始した。しかし、急遽始めた事業だったために秘書が使い慣れたソフトを利用し、医師と協力しながら様々な検索、統計処理ができるように開発設計したシステムであり、当院独自のデータベースソフトであった。しかし、今回の全国がん登録事業開始を契機に今後は、国立がん研究センターが開発したHos-CanR Plusを中心としたソフトもしくは他のソフトに変更する予定である。また、院内がん登録業務も他の部署に変更となる予定のため秘書課での「院内がん登録Vol.1~Vol.5」発行はこれが最後となる。今後は、他の部署による新たな「院内がん登録」に期待する。

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文献

 

1)髙橋ちえ他:カード型データベースソフトを用いた当病院独自の臨床データ管理の構築、三友堂病院医学雑誌 3:35-42,2002

2)http://ganjoho.jp/reg_stat/can_reg/hospital/info/support_software.html

3)http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_registry.html,p64-65

4)http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_registry.html,p66-69

5)http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_registry.html,p87

6)川村博司他:三友堂病院地域緩和ケアサポトセンター緩和ケアチーム活動-がん患者の自立性を高める早期からの緩和ケアの実践-、三友堂病院医学雑誌 7-14,2012

7)http://ganjoho.jp/reg_stat/can_reg/hospital/info/doc/manual.html

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院内ガン登録2015[2.6MB]