メタボリックシンドロームになりやすい食習慣の1つに、脂っこいものの食べ過ぎがあります。脂肪は三大栄養素の1つで体にとって不可欠な栄養素です。しかし、取りすぎてしまうと肥満や動脈硬化を進めてしまうなど様々な悪影響を及ぼしてしまいます。今月は今までの食事を振り返り、脂肪の取り方について見直してみましょう。
脂肪の働き
脂肪はエネルギー源となり、体温を一定に保ち臓器の保護も行っています。また血液中のコレステロールは細胞膜、ホルモンの材料になっています。
↓ しかし、取りすぎると!
肥満の原因になったり、血液が流れにくくなり血栓ができやすくなったりし動脈硬化の引き金になります。
脂肪の種類を理解しましょう
脂質は、飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸にわけられます。
飽和脂肪酸 | ![]() ![]() |
一価不飽和脂肪酸 | ![]() |
多価不飽和脂肪酸 | ![]() n-3系は魚類に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)が代表的です。これらは悪玉コレステロールを減少させない働きがあります。また、心臓病を防ぐ効果があると認められています。肉より魚を多く食べていきましょう。
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健康を維持するための摂取の割合は
飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸
= 3 : 4 : 3 程度が望ましいです。
この割合を1日の食事の食品構成でみてみると、以下のようになります。
主食~ごはん:茶碗1杯半(250g)×3食
主菜~魚:1切れ(80g)、 肉:薄切り2枚(50g)
卵:1/2個(25g)、豆製品:豆腐1/8丁(40g)
副菜~野菜や海草類 400g、いも類40g
果物~70g(りんご半分、バナナ大1/2本、いよかん1/2個 など)
乳製品~牛乳200ml
食物油~大さじ約1/2杯(7g)
〈当院の常食献立 1日平均実績(平成18年12月度)より〉
量は控えめに
脂肪のエネルギーは1gあたり9kcalです。これは、炭水化物や蛋白質の2倍以上であり、取りすぎはエネルギーの過剰につながり肥満や動脈硬化の原因になります。1日に使用する油の適量は大さじで軽く1杯です。油を多く使用する揚げ物や炒め物を続けて食べることは控えましょう。また、サラダなどはポン酢やノンオイルのドレッシングで食べるとよいでしょう。
油をカットしたこんな1品はいかがですか
白身魚のチーズパン粉焼き
フライは油っこい料理の代表です。チーズ入りのパン粉を付けて焼くことで、カリカリ香ばしく出来上がります。さらにエネルギーを大幅にカットできます。 | |
材料(2人分)
たらのフライは215kcalですが、 |
作り方
一人分の栄養価エネルギー:154kcal |
ついつい、おいしく感じて油をたっぷりと使った料理を食べ続けていくことでメタボリックシンドロームに1歩ずつ近づいていってしまいます。エネルギーと栄養のバランスを考えながら食べていきましょう。
このページの原稿&資料提供 三友堂病院栄養管理室