白内障

白内障についてご説明します。水晶体という目の玉の中のレンズが汚れてしまう状態を白内障と言います。
[眼科手術]白内障
白内障とは水晶体という目の玉の中のレンズが汚れてしまう状態をいいます。年による変化や病気によってなることがあります。
治療としては目薬・手術とありますが、目薬は治すことはできないので悪くなるのを防ぐという効果しかありません。
ですから良くするには手術ということになります。手術をしない場合は年の変化で徐々に悪化はしていきますが、その後に手術をしても結果は大きく変わりません。ですから急いでしなければいけないというものではありません。
ただし、病気の状態によって、または体調の悪化が今後考えられる場合は先に手術を行うという必要があります。
手術は大体20~30分ぐらいで局所麻酔(注射の麻酔)だけですみます。目薬・注射で目のまわりに麻酔をします。それが効いてきたら3mm前後の小さい切れ口がら行います。
レンズは水晶体嚢という袋に包まれているので袋の前面をやぶって、そこから超音波をだす吸引機で袋だけをのこして吸い出します。吸い出した後はその袋の中に人工のレンズを入れて表面を縫って(傷口が自然と閉じてる時は縫わないときもあります)終了します。
手術ですから100%安全というわけではありません。前房出血(しばらくしたらひきます1.67%)、駆逐性出血(激しい出血でみえにくくなる0.14%)、眼圧異常(高くなったり低くなったり、しばしばおこります)角膜内皮障害(角膜が少し弱くなる、必ずおこります)、黄斑浮腫(物を見る中心がむくむ)、眼内レンズ偏位(レンズの位置がずれる、0.14%)、網膜剥離(0.01→0.3%になる)、眼内レンズパワー誤差(目標の度数になるのは90%)、閉鎖不全(傷口が閉じにくい)、瞳孔偏位(茶目の形がかわる)、眼内炎(目に炎症がおこる0.1%)がありますが特に重要なのは、眼内炎で目の中にバイ菌が入り激しい炎症がおこることがあります。特に手術後2-3日で起こりやすいのでその時に激しい痛みや急に見えなくなった場合はお知らせ下さい。今より見づらくなる方もいらっしゃいます。また残しておいた目の袋が弱い場合人工のレンズを入れても落ちてしまいます。そこでそういう場合はレンズを縫い付ける必要があり、それはその場で時間を延長してまたは後日行うこととなっています。
手術後白内障を取った分はよくなりますが目の奥に病気を持っている方がいらっしゃいます。白内障手術はあくまでレンズをきれいにするだけなので目の奥(フィルムのようなもの)のダメージがある場合はその分の視力低下は残ってしまいます。
白内障手術後よくみえるようになっても老眼は残ってしまいます。つまりある程度はみえるのですが眼鏡をしないと完全によく見えるというわけではありません。またそばや卵でもあるように体に入れるあらゆるお薬にはアレルギー反応(ショック)を起こす可能性も極めてわずかですがあります。
これらの合併症は極めて希ですし、起こった場合でもなるべくそれによるダメージが最小限になるように対処いたします。
また皆さんに起こることですが手術後、しばらくは白目が真っ赤になりますが手術の出血によるものですから心配しないでください。またしばらくごろごろしますが2~3週間で落ち着きます。
手術は片目で3泊4日程度で、両眼では1週間程度の入院で可能です。
当院は入院手術であり日帰りを希望の場合他施設をご紹介いたします。
前眼科科長 平松類

斜視

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緑内障(トラベクトームの手術)

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