循環器内科

循環器内科について
本邦の少子高齢化は益々、顕著になっております。最新の総務省統計局発表によると(2020年9月現在、)全人口の28.7%:3,617万人が65歳以上の高齢者です。今や、高齢者であっても、自分の健康は自分でシッカリと守らなければならない時代になりました。
厚生労働省が公表している簡易生命表によると、2018年の日本人の平均寿命は、男性81.25年、女性87.32年。また、健康上の問題に制限されることなく日常生活をおくることができる期間のことを「健康寿命」といいますが、2016年の日本人の健康寿命は、男性で72.14歳、女性で74.79歳でした。
すなわち、男性で9.11年、女性で12.53年は、介助を要する非健康な余命ということになります。この健康寿命を阻害する二大要因が、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症)とフレイル(虚弱)なのです。
生活習慣病は何故、悪いのか?全身の動脈硬化を進行させ、脳梗塞、脳血管性痴呆、心筋梗塞、狭心症、下肢閉塞性動脈硬化症等となって、著しい行動制限をしいるからです。そして2019年の主要死因別死亡率統計でも、死因順位の第1位は悪性新生物<腫瘍>(全死亡者の27.3%)、 第2位は心疾患(高血圧性を除く)(同15.0%)、第3位は老衰(同8.8%)となっており、動脈硬化は死にも直結します。
近代医学の祖;ウイリアム オスラー(William Osler)(1849~1919)は、『ヒトは血管とともに老いる』(A man is as old as his arteries.)と述べました。百年前に老化=動脈硬化であると喝破したのです。私たち循環器科医の使命は、この動脈硬化の進行と戦うことです。
疾病予防(適切な運動療法、食事指導(減塩))、疾病管理(特に高血圧症などの生活習慣病)、疾病治療(狭心症、心筋梗塞、慢性心不全、心臓弁膜症、不整脈等)を通して、皆さまやご家族の健康寿命を守る一助になれますよう念願しております。どうぞお気軽にご相談くださいませ。
主な診療疾患
高血圧症
本態性高血圧症、二次性高血圧症、腎血管性高血圧症、原発性アルドステロン症、悪性高血圧症など
虚血性心疾患
狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞など
心臓弁膜症
大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症など
急性&慢性心不全
拡張型心筋症、肥大型心筋症、その他
難治性不整脈
心室細動、発作性心房細動、徐脈、完全房室ブロック、アダムス=ストークス症候群、WPW症候群など
胸腹部大動脈瘤
急性大動脈解離、真性、仮性、大動脈炎症性疾患(高安動脈炎、Bechet病)など
下肢閉塞性動脈硬化症、下肢血栓性静脈炎、下肢静脈瘤など
診療や疾患について
急性心筋梗塞は、発症6時間以内なら救命可能です
急性心筋梗塞AMIは、心臓を養う冠状動脈の急性閉塞による心筋壊死 が病態です。激しい胸痛(絞扼痛)、左手や下顎への放散痛、冷汗など、今まで経験したことのない症状が万一、ありました なら、すぐに救急車を要請してください。(119番通報)
当院では、川島理(おさむ)循環器科科長を中心としたメンバーで、来院後1時間以内に緊急PCI(カテーテル治療)をできるように救急即応体制をとっております。
心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症)には、TAVI(カテーテルによる経皮的大動脈弁挿入術)をご紹介可能です
近年、脚光をあびているTAVI治療ですが、当院は、東北随一の実績を誇る仙台厚生病院 心臓血管センターと連携しております。仙台厚生病院では(2021年3月10日現在 )TAVI治療 1245例を達成し、30日以内の死亡率も0.8%と、本邦最高水準の治療をされています。
下肢閉塞性動脈硬化症の治療には、専門医が対応します。
腸骨動脈、大腿動脈の閉塞による下肢閉塞性動脈硬化症は、少し歩くと足が痛くなり、休むと回復する(間欠性跛行)が特徴で、ABI検査により 腰部脊柱管狭窄症と容易に鑑別できます。現在は、F-Pバイパス手術より、下肢PPI(インターベンション)治療が主流です。
当院では、仙台厚生病院 心臓血管センターの専門医(現在は堀江 和紀先生)を招聘し、毎月一度、専門医による専門的な治療を施行しております。
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ご相談先:地域医療部 地域医療連携室