院内がん登録2016(基本日 平成28年12月31日現在)

三友堂病院
院内がん登録(2016)

目次

1.はじめに
2.院内がん登録の登録方法とデータの種類
 a.院内がん登録の収集方法
 b.院内がん登録の登録対象
 c.院内がん登録用のデ-タベース
 d.がん患者名簿データベースにおける生存年数の基本日およびステージ別転帰
 e.累積生存率における生存年数
 f.がん患者名簿データベースでの多重がんの生存年数およびステージ分類
3.院内がん登録統計
 a.がん登録統計(院内がん登録データベースより)
  ※一患者複数データ(多重がん含む)
 1)部位別  (表1,2,3,4,5,6、図1,2,3,4,5,6,7)
 2)性別  (表7,8、図8,9)
 3)発見経緯別  (表9、図10,11,12)
 4)部位別年齢(がん登録時年齢)  (表10、図13,14)
 b.がん患者数統計(がん患者名簿データベースより)
 1)部位別、性別  (表11,12、図15,16)
 2)部位別、転帰別  (表13,14,15、図17,18,19)
 3)ステージ別転帰  (表16,17,図20,21,22)
 4)ステージ別生存年数  (表18,19、図23,24,25)
 5)部位別ステージ分類  (表20,21、図26,27)
 6)部位別初期治療  (表22,23、図28,29)
 c.当院の主要がん患者統計(院内がん登録データベースより)
  (胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、膀胱癌、肺癌)
 1)胃癌  (表24,25,26,27,28,29、図30,31)
 2)大腸癌  (表30,31,32,33,34,35、図32,33)
 3)乳癌  (表36,37,38,39、図34,35)
 4)前立腺癌、膀胱癌 (表40,41,42,43、図36,37)
 5)肺癌  (表44,45、図38)
 d.術後再発、転移、多重がん等に関する統計
   胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、膀胱癌(がん患者名簿データベースより)
       (表46,47,48,49,50、図39)
4.結果
5.考察
6.さいごに
7.文献


1.はじめに
 三友堂病院の院内がん登録は平成21年から開始した。当初は、医師が作成した「山形県悪性新生物患者届出票」を電子データとして登録していた。しかし、秘書課で行っている様々な診療データ入力時1)、未登録状態のがん患者を見つけることが多かった。そこで、平成23年から未登録状態の患者の届出票を秘書があらかじめ作成し、電子カルテに一時保存をする。その一時保存された届出票を医師が最終点検し電子カルテに本保存をするという方法に切り替えた。それにより未登録状態のがん患者は大幅に減少した。
 また、診断日が平成28年以降のがん患者をオンラインシステムで送付する全国がん登録が今年から開始された。それを考慮し、平成26年11月から国立がん研究センター がん対策情報センターが開発した「院内がん登録支援ソフト Hos-CanR Plus 」を入手し入力を開始した。これは、全国での標準登録様式にしたがった院内がん登録の入力方法を用いており、標準登録様式に沿わなければエラーが発生する。そのため、がん登録の整合性を確認するのに非常に役立った。2017年6月「Hos-CanR Plus」を「Hos-CanR Next」2)にバージョンアップした。それにより全国がん登録オンラインシステムに送付するCSVファイルが出力できるようになった。
 去年の「三友堂病院 院内がん登録(2015)」3)で院内がん登録担当部署が秘書課(現 総務課秘書係)から他部署に変更予定である旨を公表したがまだ移行してはいないため、今回「三友堂病院 院内がん登録(2016)」を作成するに至った。 

2.院内がん登録の登録方法とデータの種類

a.院内がん登録の収集方法
 当院の院内がん登録は、医師が、電子カルテに「山形県悪性新生物患者届出票」(以下届出票)を登録した時点からデータの収集が開始される。これは、全国がん登録の登録様式とは異なる様式ではあるが、診断日が平成27年までのがん患者は、この様式での届出をすることになっており、まだ今後も必要な書類であること、さらに、全国がん登録の登録様式にはTNM分類の項目がないことなどの理由から現在使用している届出票の方が当院では医師によるがん患者の基本情報として、電子カルテに保存しておくのに望ましい届出票ではないかとの理由から、医師の責任のもとこの届出票を登録することが決定された。

b.院内がん登録の登録対象
 1) がん患者と診断した場合(他病院からのがん患者の紹介含む)
 2) がん患者を手術した場合(同一科の場合、手術後に登録)
 3) がん患者が死亡した場合
※山形県の地域がん登録事業からは、同一部位の場合上記1~3のうちどちらか1回のみの提出でと依頼されている。しかし、院内がん登録は、生存年数把握のために、発症時及び死亡時は必ず記載するよう医師に依頼している。

c.院内がん登録用のデータベース
 当院の院内がん登録用のデータベースは、医師から収集した届出票に基づいて登録を行う一患者複数データ、つまり発症時、死亡時、多重がん等、一患者に発行される届出票の枚数と同じデータ件数を登録するデータベースとそれらの情報を追加更新しながら登録する1患者1データ方式のがん患者名簿用データベースの二つに分けられている。院内がん登録用のテータベースには、届出票の情報とがん発症時の初期治療である手術情報、化学療法情報、内分泌療法情報の詳細情報も登録している。また、もう一つのがん患者名簿用のデータベースは、毎年基本日を更新することにより生存年数を計算し、さらにステージ別転帰や、術後からがん再発または多重がん発症までの年数、初期治療情報や、死亡情報、紹介先の情報、化学療法の情報など様々な情報を追加入力している。また、平成26年から取り入れた国立がん研究センター がん対策情報センターが開発した「院内がん登録支援ソフト Hos-CanR Next 」2)も併用している。現在、このソフトからの情報での統計はしていないが、他部署に院内がん登録業務が完全移行した場合、このソフトを中心にデータの統計がなされる事になる。

d.がん患者名簿データベースにおける生存年数の基本日およびステージ別転帰
 1) 平成 28年に受診して生存が確認されたがん患者は、基本日を平成28年12月31日として生存   年数を計算した。
 2) 平成 28年に受診しなかったがん患者は、生存年数を不明とした。
 3) 平成28年までの間に死亡したがん患者の生存年数は、死亡日を基本日とし生存年数を計算し   た。
 4) ステージ別転帰は平成28年12月31日までの間の動向を転帰で表した。
※上記は、電子カルテを使用し受診の有無を調べた。

e.累積生存率における生存年数
 1)手術症例における生存年数は、手術月日から転帰が確認された年月日の月数で割り出した。
    例:死亡の場合死亡年月日、生存者の場合生存が確認された年月日
 2)化学療法及び内分泌療法の生存年数は、化学療法及び内分泌療法が開始された年月日から転帰が  確認された年月日の月数で割り出した。
 3)累積生存率はカプランマイヤー法を用いた。

f.がん患者名簿データベースでの多重がんの生存年数およびステージ分類
 がん患者名簿データベースでは1患者1データのため、多重がん患者の場合一番診断日の早いがん発生部位を基準として生存年数およびステージ分類、また、初期治療を分類している。しかし、数ヶ月の間に多重がんがみつかった場合にはステージ分類の重い方をそれらの基準として分類することにした。


3.院内がん登録統計

a.がん登録統計(院内がん登録データベースより)
  ※一患者複数データ(多重がん含む)
1)部位別
 a)登録された全ての新規発生がん患者を登録年別に表した(表1)。また、平成21年~28年までの全てのがん登録患者を部位別・登録年別のグラフで表した(図1)。
 b)登録された全ての新規発生がん患者を診断年別に表した(表2)。また、平成21年~28年までのがん登録患者を部位別・診断年別のグラフで表した(図2)。
 c)平成21年~28年までの全ての新規発生がん患者を、診断年別、部位別で比率を表した(図3)。また、国立がん研究センター がん対策情報センターで公表しているホームページ上のPDFファイルに「がん診療連携拠点病院 院内がん登録 2014年全国集計 報告書」4)(以下2014年全国集計)がある。その中の部位別での統計の中から山形県及び全国の集計を抽出し5)比率を割り出し比較した(表2、図3)。
 d)診断年が平成26年の新規発生がん患者を男女別に分類し、2014年全国集計から山形県及び全国の集計6)を抽出し比較した(表3、表4、図4、図5)。
 e)診断年が平成28年の新規発生がん患者を部位別のステージ分類で表した(表5、図6)。
 f)診断年が平成27年の新規発生がん患者を部位別のステージ分類で表した(表6、図7)。
2)性別
 a)登録された全ての新規発生がん患者を登録年別の性別で表した(表7、図8)。
 b)登録された全ての新規発生がん患者を診断年別の性別で表した(表8、図9)。
3)発見経緯別
 a)登録された全ての新規発生がん患者を診断年別、発見経緯別で表した(表9、図10)。
 b)また、平成21年~28年の新規発生がん患者を診断年別の発見経緯別で比率を表した(図11)。また、図11の中に2014年全国集計の発見経緯別集計から山形県及び全国の集計7)を抽出し比率を割り出して当院と比較した。尚、この集計には自覚症状がなかったため、当院の自覚症状とその他を合算したものと、山形県、全国集計に表示されているその他を比較することにした。
  c)当院で多く登録される胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌の新規発生がん患者を発見経緯別の比率で表した(図12)。
4)部位別年齢(がん登録時年齢)
 a)登録された全ての新規発生がん患者を、部位別、年齢別で表した。年齢は、がん登録記載月日を基本日として計算した(表10、図13)。
  b)登録された全ての新規発生がん患者を、部位別、年齢別の比率で表した(図14)。

表1 新規発生がん患者 部位別・登録年別統計(多重がん含む)
部位 H20
以前
H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 合計
C34 肺癌  11  40  48  43  61  57  64  68  51  443
C15 食道癌  12  5  8  8  8  5  11  8 12   77
C16 胃癌  236  48  55  58  92  84  75  55  68  771
C18 結腸癌  130  42  38  33  52  43  42  37  65  482
C20 直腸癌  68  26  19  15  31  28  14  20  23  244
C22-25 肝胆膵  17

42

 31  33  37  39  24  22  29  274
C50 乳癌  151  19  21  21  23  30  32  26  40  363
C61 前立腺癌  0  1  2  12 43 46 35  57 65 261
C67 膀胱癌  2  4 1 5  22 17 33 24 35 143
C68 泌尿器関連癌  0  0 5 4 4 10 14 13 5 55
C57 婦人科系癌  0  6 3 2 1 5 5 3 6 31
C その他の癌  32  7 9 14 16 28 8 25 20 159
合計  659  240 240 248 390 392 357 358 419 3303

図1

表2 新規発生がん患者 部位別・診断年別統計(多重がん含む)

部位 H20
以前
H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 合計 H26
山形県
H26
全国
C34 肺癌 48 45 47 39  60  52 57 56 39 443 828 72599
C15 食道癌 22 7 10 8 6 6 5 7 6 77 265 20499
C16 胃癌 309 53 53 61 73 66 63 45 48 771 1414 72834
C18 結腸癌 171 47 35 39 41 38 27 42 42 482 812 60921
C20 直腸癌 93 21 15 24 24 23 13 16 15 244 399 31147
C22-25 肝胆膵 43  39 34 37 25 36 21 22 17 274 600 55708
C50 乳癌 183 15 24 30 22 28 18 28 15 363 610 64195
C61 前立腺癌  57 10 12 21 31 21  19 47 43 261 670 48830
C67 膀胱癌 37  9 7 11  11 6 20 19 23 143 278 21142
C68 泌尿器関連癌 13 5 4 3 3 7 10 8 2 55 225 18015
C57 婦人科系癌 8 4 4 2 0  4 3  0 6 51 465 43015
C その他の癌 47 15 7 16 19 14 10 20 11 139 1508 134575
合計 1031 270 252 291 315 301 266  310 267 3303 8074 643480



図2


図3

表3 平成26年院内がん登録部位別比較 男
三友堂病院、山形県、全国(多重がん含む)

部位   三友堂 山形県 全国
C34  肺癌 35  581 49400
C16  胃癌 47 942 51019
C18  結腸 16  457 35068
C20  直腸 10 264 20218
C22-25  肝胆膵 12 334 34145
C61  前立腺 19 670 48830
C  その他 32 1427 121689
合計  171 4675 360369


図4

表4 平成26年院内がん登録部位別比較 女
 三友堂病院、山形県、全国(多重がん含む)

部位   三友堂 山形県 全国
C34  肺癌 22 247 23199
C16  胃癌 16 472 21815
C18  結腸 11 355 25853
C20  直腸 3 135 10929
C22-25  肝胆膵 9 266 21563
C61  乳癌 18 604 63831
C  その他 16 1320 115921
合計  95 3399 283111



図5

表5 診断日H28年新規発生がん患者ステージ分類(多重がん含む)

部位 0 NA 不明 合計
C34 肺癌 0 8 7 3 13 0 8 39
C15 食道癌 0 2 0 3 0 0 1 6
C16 胃癌 3 25 8 4 7 0 1 48
C18 結腸癌 12 7 4 11 4 1 3 42
C20 直腸癌 5 2 5 2 1 0 0 15
C22-25 肝胆膵 0 1 2 1 12 0 1 17
C50 乳癌 1 8 4 2 0 0 0 15
C61 前立腺癌 0 22 16 4 1 0 0 43
C67 膀胱癌 12 8 1 1 1 0 0 23
C68 泌尿器関連癌 0 2 0 0 0 0 0 2
C57 婦人科系癌 1 1 0 1 3 0 0 6
C その他の癌 0 5 1 0 3 2 0 11
合計 34 91 48 32 45 3 14 267



図6

表6 診断日H27年新規登録患者ステージ分類(多重がん含む)

部位 0 NA 不明 合計
C34 肺癌 0 12 4 10 24 0 3 56
C15 食道癌 3 3 0 1 0 0 0 7
C16 胃癌 0 29 3 1 9 0 0 45
C18 結腸癌 13 6 5 12 6 0 0 42
C20 直腸癌 5 3 1 3 2 0 0 16
C22-25 肝胆膵 0 3 1 4 12 0 1 22
C50 乳癌 6 8 9 1 3 0 2 28
C61 前立腺癌 0 24 12 3 8 0 2 47
C67 膀胱癌 13 5 0 0 1 0 0 19
C68 泌尿器関連癌 2 4 0 1 1 0 3 8
C57 婦人科系癌 0 0 0 0 0 0 0 0
C その他の癌 0 1 3 2 3 8 6 20
合計 42 98 38 38 69 8 17 310


図7

表7 がん登録患者
 性別・登録年別統計(多重がん含む)

登録年・性別 合計  
図8
H20年以前 291 368 659
H21年 116 124 240
H22年 137 103 240
H23年 154 94 248
H24年 256 134 390
H25年 252 140 392
H26年 232 125 357
H27年 214 144 358
H28年 258 161 419
合計 1910 1393 3303


表8 がん登録患者
 性別・診断年別統計(多重がん含む)


登録年・性別 合計  
図9
H20年以前 528 503 1031
H21年 157 113 270
H22年 150 102 252
H23年 176 115 291
H24年 197 118 315
H25年 180 121 301
H26年 171 95 266
H27年 187 123 310
H28年 164 103 267
合計 1910 1393 3303

表9 発見経緯別・診断年別統計(多重がん含む)

診断年・発見経緯 がん検診 健診・ドック 他疾患の
経過観察中
自覚症状 その他 合計
H20年以前 59 195 213 450 114 1031
H21年 22 20 90 126 12 270
H22年 15 20 72 129 16 252
H23年 19 18 116 119 19 291
H24年 16 33 119 130 17 315
H25年 7 44 110 124 16 301
H26年 0 39 106 102 19 266
H27年 30 34 127 113 6 310
H28年 27 25 100 115 0 267
合計 195 428 1053 1408 219 3303


図10


図11


図12

表10 部位別がん患者年齢分布(多重がん含む)

部位 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代以上 合計
C34 肺癌 1 0 8 22 79 144 162 27 443
C15 食道癌 0 0 1 6 24 26 19 1 77
C16 胃癌 0 6 25 69 192 234 198 47 771
C18 結腸癌 1 2 15 51 105 150 116 42 482
C20 直腸癌 0 3 6 42 64 63 53 13 244
C22-25 肝胆膵 0 0 3 22 60 80 88 21 274
C50 乳癌 1 10 70 63 94 73 41 11 363
C61 前立腺癌 0 0 0 7 56 100 84 14 261
C67 膀胱癌 0 2 1 11 22 38 59 10 143
C68 泌尿器関連癌 0 1 3 4 6 13 21 7 55
C57 婦人科系癌 0 2 6 5 3 8 4 3 31
C その他の癌 0 2 17 16 32 37 44 11 159
合計 3 28 155 318 737 966 889 207 3303




図13


図14

b.がん患者数統計(がん患者名簿データベースより)
 ※一患者一データ(多重がん含まず)
1) 部位別、性別
 a)がん患者名簿データベースに登録された男性のがん患者を診断年別に分類したものと、全登録数及び全生存患者数に分類し、部位別の比率で表した。(表11、図15)。
  b)がん患者名簿データベースに登録された女性のがん患者を診断年別に分類したものと、全登録数及び全生存患者数に分類し、部位別の比率で表した。(表12、図16)。
2) 部位別、転帰別
 a)診断年が平成28年のがん患者を転帰別に表した(表13、図17)。
 b)診断年が平成21年~平成27年のがん患者を転帰別に表した(表14、図18)。
  c)診断年が平成20年以前のがん患者を転帰別に表した(表15、図19)。
3) ステージ別転帰
 a)平成28年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者をステージ別に下記の方法で表した(表16、図20)。
 ①生存:平成28年に当院を受診した患者は生存とした。
 ②死亡(癌死):平成28年までの間に死亡した場合を死亡とし、死亡診断書の直接死因、死因原因欄にがんの診断が記載されていた場合を癌死とした。
  ③死亡(他疾患):平成28年までの間に死亡した場合を死亡とし、死亡診断書の直接死因、死因原因欄にがんの診断が記載されていない場合を他疾患による死亡とした。
 ④死亡(他からの連絡):平成28年までの間に、他医療機関、その他関係施設や家族からの連絡及び情報提供等が有った場合を他からの連絡による死亡とした。
 ⑤死亡(年齢調整、90歳以上):平成28年の間に当院を受診せず、平成28年12月31日の基本日で90歳以上の方を死亡(年齢調製、90歳以上)とし、その後の更新を来院するまで点検しないようにした。
 ⑥不明(来院無し):平成28年までの間に、他院への転院等の理由もなく受診しなかった場合を不明(来院無し)とした。
 ⑦不明(他院へ):平成28年までの間に、他院へ転院した場合、不明(他院へ)とした。
 ⑧不明(施設へ):平成28年までの間に、施設へ入所した場合、不明(施設へ)とした。
  b)平成28年登録を含む全てのがん患者の実数も同様に統計処理を行った(表17、図21)。
  c)平成28年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者と全てのがん患者の実数を転帰別に%で表した(図22)。
4) ステージ別生存年数
 a)平成28年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者をステージ別に生存年数を表した(表18、図23)。転帰が不明の患者の場合、生存年数を不明とした。また、表18の( )内には平成28年までの間に死亡した患者の実数を表した。生存年数は、がんと診断した年月日から前述の基本日までの期間を生存年数とした。なお、診断日が紹介等で詳細が不明などの理由で記載されていなかった場合は下記のように診断日を設定した。
 例① 診断日が平成28年の場合、平成28年1月1日とした。
  例② 診断日が平成28年3月の場合、平成28年3月1日とした。
 b)平成28年登録を含む全てのがん患者の実数も同様に統計処理をおこなった(表19、図24)。
 c)平成28年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された死亡患者と全がん登録の死亡患者の生存年数を%で表し比較した(図25)。
5) 部位別ステージ分類
 a)平成28年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者を部位別ステージ分類で表した(表20、図26)。表20の( )内には平成28年までの間に死亡した患者の実数を表した。
 b)平成28年登録を含む全てのがん患者の実数も同様に統計処理を行った(表21、図27)。
6) 部位別初期治療
 a)平成28年に登録されたがん患者の内、新規にがん患者名簿に登録された患者の初期治療について部位別に表した(表22、図28)。
 b)平成28年登録を含むすべてのがん患者の実数も同様に統計処理を行った(表23、図29)。

表11 部位別・診断年別統計(男、多重がん含まず)

部位 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 全生存者 全登録数
C34 肺癌 29 33 28 36 36 29 35 20 43 277
C15 食道癌 4 9 5 4 2 4 4 5 20 54
C16 胃癌 30 34 34 39 38 37 17 23 195 423
C18 結腸癌 20 14 19 17 10 15 20 13 110 197
C20 直腸癌 11 8 13 12 15 8 6 10 67 135
C22-25 肝胆膵 17 13 19 12 18 10 9 7 10 125
C61 前立腺癌 10 11 21 28 19 16 44 39 175 239
C67 膀胱癌 7 4 5 7 3 10 8 10 54 78
C68 泌尿器関連癌 4 2 0 1 2 4 4 2 15 30
C その他の癌 11 4 8 5 7 4 5 6 24 64
合計 143 132 152 162 150 137 152 135 713 1622


図15

表12 部位別・診断年別統計(女、多重がん含まず)

部位 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 全生存者 全登録数
C34 肺癌 12 12 11 12 11 19 17 19 56 130
C15 食道癌 0 0 0 1 1 0 0 3 3 8
C16 胃癌 20 11 17 20 18 13 16 14 106 233
C18 結腸癌 18 17 10 16 17 10 16 20 97 215
C20 直腸癌 10 4 9 10 6 3 7 3 45 82
C22-25 肝胆膵 20 19 15 12 12 7 9 12 16 124
C50 乳癌 13 21 25 21 26 12 24 19 238 334
C67 膀胱癌 0 2 4 3 0 1 4 7 17 30
C68 泌尿器関連癌 1 1 3 0 3 4 2 1 7 18
C50 婦人科系 4 3 2 0 4 2 0 7 9 28
C その他の癌 3 3 4 9 7 5 11 3 38 77
合計 101 93 100 104 105 76 106 108 632 1279



図16


表13 がん患者の転帰(診断年 平成28年、多重がん含まず)

診断日
H28年

登録者
生存者 死亡&年齢
調整(90歳~)
 

図17
C34 肺癌 37 29 8
C15 食道癌 6 4 2
C16 胃癌 36 29 7
C18 結腸癌 32 29 3
C20 直腸癌 13 12 1
C22-25 肝胆膵 16 2 14
C50 乳癌 14 14 0
C61 前立腺癌 39 38 1
C67 膀胱癌 16 14 2
C68 泌尿器関連癌 2 2 0
C その他の癌 15 13 2
合計 226 186 40


表14 がん患者の転帰
 (診断年 平成21年~27年、多重がん含まず)

診断日
H28年

登録者
生存者 死亡&年齢
調整(90歳~)
生存
不明者


図18
C34 肺癌 320 56 137 27
C15 食道癌 34 7 18 9
C16 胃癌 343 147 154 42
C18 結腸癌 218 94 92 32
C20 直腸癌 122 70 31 21
C22-25 肝胆膵 192 14 171 7
C50 乳癌 142 109 18 15
C61 前立腺癌 149 112 22 15
C67 膀胱癌 58 36 18 4
C68 泌尿器
関連癌
31 12 18 1
C その他の癌 100 29 61 10
合計 1709 686 840 183


表15 がん患者の転帰(診断年 平成20年以前、多重がん含まず)


診断日
H28年

登録者
生存者 死亡&年齢
調整(90歳~)
生存
不明者


図19
C34 肺癌 42 7 34 1
C15 食道癌 19 10 9 10
C16 胃癌 274 123 105 46
C18 結腸癌 157 81 57 19
C20 直腸癌 82 35 35 17
C22-25 肝胆膵 35 8 26 2
C50 乳癌 169 109 35 29
C61 前立腺癌 51 25 24 2
C67 膀胱癌 29 17 12 0
C68 泌尿器
関連癌
12 5 6 1
C その他の癌 49 28 20 1
合計 919 438 363 118

表16 H28年がん登録患者 ステージ別転帰(多重がん含まず)

stage分類 生存 死亡 死亡 不明 合計
癌死 他疾患 他からの
連絡
年齢調整
(90以上)
来院無し 他院へ
stage 0 32 0 0 0 0 0 0 32
stageⅠ 103 2 2 0 0 1 1 109
stageⅡ 53 2 1 0 0 1 0 57
stageⅢ 37 8 1 0 0 1 0 47
stageⅣ 16 44 0 2 0 1 1 64
NA 4 0 0 0 0 0 1 5
不明 6 6 4 0 0 0 1 17
合計 251 62 8 2 0 4 4 331


図20


表17 全がん登録患者 ステージ別転帰(多重がん含まず)

stage分類 生存 死亡 死亡 不明 合計
癌死 他疾患 他からの
連絡
年齢調整
(90以上)
来院無し 他院へ 施設へ
stage 0 108 0 4 0 4 15 9 1 141
stageⅠ 615 77 67 4 33 67 62 2 927
stageⅡ 295 81 32 6 30 29 32 0 505
stageⅢ 183 197 24 9 14 19 27 1 474
stageⅣ 69 539 10 10 7 11 14 1 661
NA 8 0 1 0 0 0 1 0 10
不明 32 73 14 3 4 3 7 0 136
合計 1310 967 152 32 92 144 152 5 2854

図21

図22

表18 H28年がん登録患者 ステージ別生存年数(多重がん含まず)

生存年数 stage 0 stageⅠ stageⅡ stageⅢ stageⅣ 不明 合計
1年未満 23 74(2) 40(3) 34(7) 48(34) 11(6) 230(52)
1~3年未満 4 21(1) 8 4(1) 9(4) 2(2) 48(8)
3~5年未満  0 0 0 0 4(4) 0 4(4)
5~10年未満  3 5 4 5(1) 2(2) 0 19(3)
10年以上  2 6(1) 4 4(1) 3(2) 2(2) 21(6)
不明 0 3 1 0 3 2 9
合計  32 109(4) 57(3) 47(10) 69(46) 17(10) 331(73)
( )内死亡患者数



図23

表19 全がん登録患者 ステージ別生存年数(多重がん含まず)

生存年数 stage 0 stageⅠ stageⅡ stageⅢ stageⅣ 不明 合計
1年未満 27(1) 106(27) 71(32) 138(110) 400(384) 58(52) 800(606)
1~3年未満 32 160(38) 76(22) 97(62) 141(106) 21(16) 527(244)
3~5年未満 11(1) 118(20) 70(15) 50(22) 47(37) 15(7) 311(102)
5~10年未満 22(1) 160(22) 84(20) 63(22) 31(26) 9(4) 369(95)
10年以上 20(1) 226(49) 121(38) 66(15) 18(7) 18(11) 469(121)
不明 29(4) 157(25) 83(22) 60(15) 34(7) 15(4) 378(75)
合計 141(8) 927(181) 505(149) 474(244) 671(567) 136(94) 2854(1243)
( )内死亡患者数

図24

図25

表20 H28年がん登録患者 部位別、ステージ分類(多重がん含まず)

部位 stage 0 stageⅠ stageⅡ stageⅢ stageⅣ 不明 合計
C34 肺癌  0 12(2) 6 5(1) 11(4) 7(4) 41(11)
C15 食道癌  0 3 0 4(2) 0 1(1) 8(3)
C16 胃癌  2 25(1) 9(2) 5(1) 9(5) 0 50(9)
C18 結腸癌 12 7 7(1) 14 8(8) 2 50(9)
C20 直腸癌 5 1 5 2 3(2) 2(1) 18(3)
C22-25 肝胆膵  0 2(1) 1 3(3) 16(15) 3(3) 25(22)
C50 乳癌  3 13 9 4(1) 3(2) 2(1) 34(4)
C61 前立腺癌  0 26 19 6 6(5) 0 57(5)
C67 膀胱癌  9 10 0 1(1) 2(2) 0 22(3)
C68 泌尿器系癌  0 3 0 1(1) 1(1) 0 5(2)
C その他 1 7 1 2 10(2) 0 21(2)
合計  32 109(4) 57(3) 47(10) 69(46) 17(10) 331(73)
( )内死亡患者数

図26

表21 全がん登録患者 部位別、ステージ別分類(多重がん含まず)
部位 stage 0 stageⅠ stageⅡ stageⅢ stageⅣ 不明 合計
C34 肺癌 0 93(41) 30(15) 119(94) 138(115) 19(14) 399(279)
C15 食道癌 3 18(2) 6(3) 17(12) 13(11) 2(1) 59(29)
C16 胃癌 16(2) 359(82) 63(22) 75(41) 119(105) 21(14) 653(266)
C18 結腸癌 42(2) 85(11) 94(33) 107(38) 72(63) 7(5) 407(152)
C20 直腸癌 28(1) 42(4) 48(14) 62(21) 28(20) 9(7) 217(67)
C22-25 肝胆膵 1 22(12) 32(23) 22(16) 153(148) 13(12) 243(211)
C50 乳癌 19(1) 136(9) 114(23) 28(5) 19(11) 9(4) 325(53)
C61 前立腺癌 0 84(3) 92(10) 17(3) 41(28) 5(3) 239(47)
C67 膀胱癌 29(2) 46(12) 8 4(4) 15(14) 1 103(32)
C68 泌尿器系癌 1 17(3) 3(2) 6(3) 14(12) 4(4) 45(24)
C その他 2 25(2) 15(4) 17(7) 59(40) 46(30) 164(83)
合計 141(8) 927(181) 505(149) 474(244) 671(567) 136(94) 2854(1243)

図27

表22 H27年がん登録患者 部位別、初期治療(多重がん含まず)
部位 手術 体腔鏡的
手術
内視鏡的
手術
化学・内分泌
療法
緩和ケア 姑息・
対症療法
他院へ紹介  その他 合計
C34 肺癌 2 0 0 15 7 5 10 2 41
C15 食道癌 0 0 1 1 1 3 1 1 8
C16 胃癌 23 4 14 0 4 3 3 1 50
C18 結腸癌 24 3 13 0 4 1 1 3 50
C20 直腸癌 5 0 4 0 1 2 0 3 18
C22-25 肝胆膵 1 0 0 1 8 9 3 3 25
C50 乳癌 21 0 0 4 0 1 5 3 34
C61 前立腺癌 17 0 0 18 1 0 14 7 57
C67 膀胱癌 20 0 0 0 1 0 0 1 22
C68 泌尿器系癌 3 0 0 0 0 1 0 1 5
C その他 10 0 0 0 2 2 6 1 21
合計 126 9 32 39 29 27 43 26 331

図28

表23 全がん登録患者 部位別、初期治療(多重がん含まず)
部位 手術 体腔鏡的
手術
内視鏡的
手術
化学・内分泌
療法
緩和ケア 姑息・
対症療法
他院へ紹介  その他 合計
C34 肺癌 15 1 0 126 104 43 89 21 399
C15 食道癌 11 1 4 4 6 10 15 8 59
C16 胃癌 335 50 101 20 61 46 23 17 653
C18 結腸癌 258 33 49 7 21 24 5 10 407
C20 直腸癌 145 10 31 3 8 10 4 6 217
C22-25 肝胆膵 29 1 0 27 81 69 13 23 243
C50 乳癌 264 0 0 24 1 4 26 6 325
C61 前立腺癌 76 0 0 96 7 6 40 14 239
C67 膀胱癌 89 0 0 2 5 1 0 6 103
C68 泌尿器系癌 22 8 0 1 4 7 0 3 45
C その他 54 2 0 2 35 26 32 13 164
合計 1298 106 185 312 333 246 247 127 2854

図29

c.当院の主要がん患者統計(院内がん登録データベースより)
    (胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、膀胱癌、肺癌)
1) 胃癌
 a)胃癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表24)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録81件は、この統計から省いた。
 b)胃癌登録患者のうち根治術施行患者で詳細データ入力済みの368例について占拠部位別にアプローチを表した(表25)。 
  c)胃癌登録患者のうち根治術施行患者で詳細データ入力済みの368例について手術施行年別にアプローチを表した(表26、図30)。
 d)胃癌登録患者のうち根治術施行患者で詳細データ入力済みの368例について占拠部位別に手術術式を表した(表27)。
 e)胃癌登録患者のうち根治術施行患者で詳細データ入力済みの368例について占拠部位別に組織型を表した(表28)。
 f)平成20~27年に当院外科で胃癌の根治術を施行した患者の累積生存率を表した(表29、図31)。尚、生存率計算は、手術年月日から生存が確認された年月日までの期間をカプランマイヤー法を使用した。
2) 大腸癌
 a)大腸癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表30)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録91件は、この統計から省いた。
 b)大腸癌登録患者のうち根治術施行患者で詳細データ入力済みの439例について占拠部位別のアプローチを表した(表31)。
  c)大腸癌登録患者のうち根治術施行患者で詳細データ入力済みの439例について手術施行年別にアプローチを表した(表32、図32)。
 d)大腸癌登録患者のうち根治術患者で詳細データ入力済みの439例について占拠部位別に手術術式を表した(表33)。
 e)大腸癌登録患者のうち根治術施行患者で詳細データ入力済みの439例について占拠部位別に組織型を表した(表34)。
 f)平成20~28年に当院外科で大腸癌の根治術を施行した患者の累積生存率を表した(表35、図33)。統計は胃癌と同様の方法で行った。
3) 乳癌
  a)乳癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表36)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録18件は、この統計から省いた。
  b)乳癌登録患者のうち、根治術を施行した患者の詳細データ入力済み167例について、主たる腫瘤占拠部位を表した(表37)。
 c)乳癌登録患者のうち、根治術を施行した患者の詳細データ入力済み167例について、手術術式を表した(図34)。
 d)乳癌登録患者のうち、根治術を施行した患者の詳細データ入力済み167例について、組織型を表した(表38)。
 e)平成20~28年に当院外科で乳癌の根治術を施行した患者の累積生存率を表した(表39、図35)。統計は胃癌と同様の方法で行った。
4) 前立腺癌、膀胱癌
 a)前立腺癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表40)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録17件は、この統計から省いた。
 b)平成21年~28年の前立腺癌初期治療の内、手術を施行した患者と内分泌療法施行患者(ステージ別)に分類し、累積生存率を表した(表41、図36)。累積生存率は、手術の場合手術年月日から生存が確認された年月日までの期間を、また内分泌療法施行患者は内分泌療法開始年月日から生存が確認された年月日までの期間をカプランマイヤー法を用いて行った。
 c)膀胱癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表42)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録17件は、この統計から省いた。
 d)平成21年~28年に膀胱癌の根治手術を施行した患者の累積生存率を表した(表43、図37)。統計は胃癌と同様の方法で行った。
5) 肺癌
 a)肺癌登録患者について、がん確定診断の契機となった検査または治療を診断年毎に表した(表44)。尚、死亡時等の登録で死亡月日のみ追加して内容が同一の登録139件は、この統計から省いた。
 b)平成21年~28年に肺癌の化学療法施行患者の累積生存率を表した(表45、図38)。統計は化学療法施行開始年月日から生存が確認された年月日までの期間をカプランマイヤー法を用いて行った。

表24 胃癌 治療・検査診断
診断年 根治術 根治術以外 ESD・EMR 生検 組織診以外 他院診断で不明 合計
H20以下 250 3 33 20 2 1 309
H21 22 0 10 19 1 1 53
H22 23 1 8 19 2 0 53
H23 22 4 10 23 2 0 61
H24 34 1 11 27 0 0 73
H25 17 1 20 22 6 0 66
H26 24 1 13 24 1 0 63
H27 17 0 12 15 1 0 45
H28 20 0 14 13 1 0 48
合計 429 11 131 182 16 2 771

表25 胃癌 アプローチ(部位別)

  A:開腹 E:内視鏡 L:腹腔鏡・腹腔鏡補助 合計
U上部 58 12 3 73
M中部 95 42 15 152
L下部 66 57 18 141
G食道胃接合部 2 0 0 2
合計 221 111 36 368

表26 胃癌 アプローチ(施行年別)
施行年 A:開腹 L:腹腔鏡・腹腔鏡補助 E:内視鏡 合計
H20以下 68 10 8 86
H21 18 2 12 32
H22 23 1 8 32
H23 17 5 10 32
H24 28 4 10 42
H25 19 2 21 42
H26 19 3 12 34
H27 8 7 13 28
H28 21 2 17 40
合計 221 36 111 368

図30

表27 胃癌 手術術式
  DG: TG: PG: PP: LE: SR: MR: SD: OT: 合計
U上部 3 32 22 0 4 0 1 11 0 73
M中部 65 26 3 9 5 1 1 41 1 152
L下部 72 6 1 3 2 0 1 56 0 141
G食道胃接合部 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
合計 140 66 26 12 11 1 3 108 1 368

DG:幽門側胃切除、TG:胃全摘、PG:噴門側胃切除、PP:幽門保存胃切除
LE:胃局所切除、SR:胃分節切除、MR:EMR、SD:ESD、OT:その他

表28 胃癌 組織型
  pap: tub1: tub2: sol: non: sig: muc: GIST CND: MIS: 不明 合計
U上部 1 24 19 10 9 3 0 4 1 1 1(腺癌) 73
M中部 7 52 44 17 13 11 2 4 1 0 1(腺癌) 152
L下部 7 76 33 13 7 1 2 1 0 1 0 141
G食道胃接合部 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 2
合計 15 153 96 40 29 15 5 9 2 2 2 368

pap:乳頭腺癌、tub1:高分化型管状腺癌、tub2:中分化型管状腺癌、sol:充実型低分化腺癌
non:非充実型低分化腺癌、sig:印環細胞癌、muc:粘液癌、GIST:胃腸管間質性腫瘍
CND:カルチノイド腫瘍、mis:その他の癌

表29 胃癌症例累積生存率(2008~2016年)
  1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年
stageⅠ(123例) 100 96.25 93.86 93.86 90.75 88.3 88.3 88.3 80.27
stageⅡ(29例) 96.15 91.78 75.02 75.02 75.02 75.02 75.02 75.02  
stageⅢ(43例) 83.47 70.43 62.49 59.2 55.72 49.53 49.53 49.53 49.53
stageⅣ(16例) 62.5 46.8 15.6 15.6          


図31

表30 大腸癌 治療・検査診断

診断年 根治術 根治術以外 ESD:EMR 生検 組織診以外 他院診断で不明 合計
H20以前 237 2 14 6 3 2 264
H21 50 1 4 7 6 0 68
H22 35 6 1 4 4 0 50
H23 29 2 16 9 7 0 63
H24 36 0 12 15 2 0 65
H25 36 1 13 7 3 0 60
H26 23 0 7 8 2 0 40
H27 31 1 16 3 8 0 59
H28 29 1 18 8 1 0 57
合計 506 14 101 67 36 2 726

表31 大腸癌 アプローチ(部位別)

  開腹 腹腔鏡補助下 経肛門的 内視鏡 合計
A:上行結腸 56 5 0 10 71
T:横行結腸  42 8 0 7 57
D:下行結腸 12 3 0 3 18
S:S状結腸 68 10 0 37 115
C:盲腸 24 5 0 3 32
V:虫垂 1 0 0 0 1
Rs:直腸S状部 27 5 0 8 40
Ra:上部直腸 33 4 1 11 49
Rb:下部直腸 31 4 5 14 54
P:肛門管 2 0 0 0 2
合計 296 44 6 93 439

表32 大腸癌 アプローチ(施行年別)

  開腹 腹腔鏡補助下 経肛門的 内視鏡 合計
H20以下 80 0 0 3 83
H21 47 1 2 4 54
H22 33 2 2 1 38
H23 26 1 0 16 43
H24 34 0 2 12 48
H25 26 8 0 14 48
H26 13 10 0 8 31
H27 15 12 0 17 44
H28 22 10 0 18 50
合計 296 44 6 93 439

図32

表33 大腸癌 手術術式
  RH LH S PC HA LA H A I E T&L 合計
A:上行結腸  52 0 0 1 0 0 0 0 8 10 0 71
T:横行結腸 14 3 0 33 0 0 0 0 0 7 0 57
D:下行結腸 0 5 1 8 1 0 0 0 0 3 0 18
S:S状結腸 0 1 42 2 23 4 3 2 0 37 1 115
C:盲腸 13 0 1 0 0 0 0 1 14 3 0 32
V:虫垂 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1
Rs:直腸S状部 0 0 0 0 21 11 0 0 0 8 0 40
Ra:上部直腸 0 0 0 0 3 32 2 0 0 11 1 49
Rb:下部直腸 0 0 0 0 0 10 0 25 0 14 5 54
P:肛門管 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2
合計 80 9 44 44 48 57 5 30 22 93 7 439

RH:結腸右半切除、LH:結腸左半切除、S:S状結腸切除、PC:結腸部分切除、
HA:高位前方切除、LA:低位前方切除、H:Hartmann手術、A:腹会陰式直腸切断術
I:回盲切除、E:EMR・ESD・ポリープ切除、T&L:腫瘍切除&局所切除

表34 大腸癌 組織型

  pap: tub1: tub2: AED: sol: non: sig: muc: scc: CND: MIS: 合計
A:上行結腸 11 17 34 2 3 1 0 3 0 0 0 71
T:横行結腸 5 17 29 3 2  0  0  0 0 0 1 57
D:下行結腸 0 6 12 0 0 0 0 0 0 0 0 18
S:S状結腸 8 38 62 4 2 0 0 1 0 0 0 115
C:盲腸 1 11 13 1 3 1 1 0 0 0 1 32
V:虫垂 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
Rs:直腸S上部 5 11 23 0 0 0 0 1 0 0 0 40
Ra:上部直腸 3 13 29 2 0 0 0 1 0 1 0 49
Rb:下部直腸 2 12 34 1 0 0 0 1 0 2 2 54
P:肛門管 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 3
合計 35 125 238 13 10 2 1 7 1 3 4 439

pap:乳頭腺癌、tub1:高分化型管状腺癌、tub2:中分化型管状腺癌、ADE:腺癌、
sol:充実型低分化腺癌、non:非充実型低分化腺癌、sig:印環細胞癌、muc:粘液癌、scc:扁平上皮癌、
CND:カルチノイド腫瘍、MIS:その他の癌

表35 大腸癌症例累積生存率(2008~2016年)
  1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年
stage 0(12例) 100 100 100 100 100 100 100 100  
stageⅠ(62例) 98.39 98.39 98.39 95.65 92.47 92.47 87.03 87.03  
stageⅡ(83例) 96.26 96.26 88.24 86.36 78.13 74.23 69.28 69.28  
stageⅢ(92例) 88.85 83.6 80.48 72.72 65.09 61.66 61.66 61.66 61.66
stageⅣ(40例) 65.75 53.91 33.89 29.65 15.81 15.81      

図33

表36 乳癌 治療・検査診断

診断年 根治術 根治術以外 生検 組織診以外 合計
H20以前 168 7 8 0 183
H21 12 0 3 0 15
H22 21 0 3 0 24
H23 23 1 5 1 30
H24 13 1 8 0 22
H25 16 0 11 1 28
H26 10 0 6 2 18
H27 18 0 10 0 28
H28 8 0 7 0 15
合計 289 9 61 4 363

表37 乳癌 腫瘍腫瘤占拠部位

  左側 右側 両側 合計  
図34

A:内上部 27 23 0 50  
B:内下部 6 5 0 11  
C:外上部 27 40 2 69  
D:外下部 11 9 0 20  
C':腋窩部 1 2 0 3  
E:乳輪部 6 6 1 13  
E':乳頭部 0 1 0 1  
合計 78 86 3 167  

表38 乳癌 組織型
  1-a 1-b 2-a2 2-a3 2-b1 2-b3 2-b5 2-b6 2-b11 3.Paget's 合計
A:内上部 5 8 15 14 2 4 0 1 1 0 50
B:内下部 4 1 3 3 0 0 0 0 0 0 11
C:外上部 5 10 26 15 3 8 0 0 2 0 69
D:外下部 2 3 8 4 1 1 1 0 0 0 20
C':腋窩部 0 0 2 0 0 1 0 0 0 0 3
E:乳輪部 1 2 5 4 0 1 0 0 0 0 13
E':乳頭部 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
合計 17 24 59 40 6 15 1 1 3 1 167

1-a:Nojninvasive ductal carcinoma, 1-b:Lobular carcinoma in situ, 2-a2:Solid-tubular carcinoma,
2-a3:Scirrhous carcinoma, 2-b1:
Mucinous carcinoma, 2-b3:Invasive lobular carcinoma,
2-b 5:squamous cell carcinoma, 2-b6:Spindle cell carcinoma, 2-b11:その他の浸潤癌, 3.Paget病


表39 乳癌症例累積生存率(2008~2016年)
  1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年
Stage 0(9例) 100 100 100 100 100 100 100 100  
StageⅠ(64例) 100 100 100 100 97.22 93.98 85.44 85.44  
StageⅡ(49例) 95.87 95.87 95.87 95.87 87.66 87.66 87.66 87.66 87.66
StageⅢ(12例) 100 100 100 100 100 100 100    
StageⅣ(4例) 75.0 75.0              

図35

表40 前立腺癌 治療・検査診断

診断年 根治術 根治術以外 生検 組織診断 合計
H20以前 31 2 23 1 57
H21  4 1 4 1 10
H22 5 0 5 2 12
H23 5 0 15 1 21
H24 9 0 21 1 31
H25 6 0 13 2 21
H26 5 0 12 2 19
H27 3 0 41 3 47
H28 9 2 31 1 43
合計 77 5 165 14 261

表41 前立腺癌症例累積生存率(2009~2016年)

  1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年
手術症例(49例) 100 100 100 100 100 100 100 100


stageⅠ(24例) 100 100 100 100 100 100 100  
stageⅡ(43例) 100 100 96.15 96.15 96.15 96.15 96.15  
stageⅢ(8例) 87.5 87.5 43.75 43.75        
stageⅣ(19例) 83.3 83.3 58.2 43.6 43.6      

図36
表42 膀胱癌 治療・検査診断
診断年 根治術 根治術以外 生検 組織診以外 他院診断詳細不明 合計
H20以前 31 0 6 0 0 37
H21 9 0 0 0 0 9
H22 6 0 0 0 1 7
H23 6 2 1 2 0 11
H24 8 0 1 2 0 11
H25 6 0 0 0 0 6
H26 18 0 2 0 0 20
H27 18 0 1 0 0 19
H28 21 1 0 1 0 23
合計 123 3 11 5 1 143

表43 膀胱癌症例累積生存率(2009~2016年)
  1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年
stage 0(49例) 97.73 97.73 97.73 83.98 83.98 55.99 41.99  
stageⅠ(34例) 84.22 84.22 84.22 84.22 84.22 84.22 84.22  
stageⅡ(8例) 85.71 71.43 71.43 71.43 71.43 71.43 35.71 35.71

図37

表44 肺癌 治療・検査診断
診断年 根治術 根治術以外 生検 組織診以外 他院診断で不明 合計
H20以前 8 0 30 9 1 48
H21 5 0 21 19 0 45
H22 0 0 39 8 0 47
H23 0 1 32 6 0 39
H24 2 0 45 13 0 60
H25 0 0 47 5 0 52
H26 1 0 46 9 0 56
H27 1 0 49 6 0 56
H28 1 0 34 4 0 39
合計 18 1 343 79 1 442

表45 肺癌化学療法症例累積生存率(2009~2016年)
  1年 2年 3年 4年 5年 6年
stageⅠ(7例) 51.74 51.74 51.74 51.74 51.74  
stageⅡ(8例) 100 83.33 83.33      
stageⅢ(58例) 45.78 23.86 17.35 8.92 5.95 5.95
satgeⅣ(51例) 38.52 17.85 3.72      
不明(7例) 57.14          

図38



d.術後再発、転移、多重がん等に関する統計(がん患者名簿データベースより)
 1)胃癌登録患者で外科的根治術または内視鏡によるEMR・ESD施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表46)。
 2)大腸癌登録患者で外科的根治術または内視鏡によるEMR・ESD・ポリープ切除術施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表47)。
 3)乳癌登録患者で外科的根治術施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表48)。
 4)前立腺癌登録患者で外科的根治術施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表49)。
  5)膀胱癌登録患者で外科的根治術施行患者の初発診断日から、術後再発、転移または別部位に新たにがんを確認した期間を表した(表50)。
 6)当院で外科的根治術施行が多い胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、膀胱癌登録患者の術後再発・転移または別部位に新たにがんを確認した期間を%で表した(図39)。

表46 胃癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間
  1年未満 1~3年未満 3~5年未満 5~10年未満 10年以上 合計
stage 0 8(2) 0 2 0 3 2 15(2)
stageⅠ 277(50) 3(2) 13(2) 5(2) 15(5) 15(8) 328(69)
stageⅡ 43(9) 0 5(3) 2 2(2) 2(2) 54(16)
stageⅢ 46(17) 3(3) 6(5) 0 1 4(3) 60(28)
stageⅣ 20(10) 2(1) 4(4) 0 1(1) 0 27(16)
不明 2 0 0 0 0 0 2
合計 396(88) 8(6) 30(14) 7(2) 22(8) 23(13) 486(131)
( )内死亡患者

表47 大腸癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間

  1年未満 1~3年未満 3~5年未満 5~10年未満 10年以上 合計
stage 0 62(3) 0 4 1 2 0 69(3)
stageⅠ 101(8) 2 8(2) 4(1) 3 5(2) 123(13)
stageⅡ 98(26) 5(2) 16(9) 8(4) 4(1) 2(1) 133(43)
stageⅢ 97(16) 14(9) 16(7) 8(7) 9(2) 6(1) 150(42)
stageⅣ 36(23) 3(1) 8(7) 0 0 1(1) 48(32)
不明 1(1) 0 1(1) 0 0 0 2(2)
合計 395(77) 24(12) 53(26) 21(12) 18(3) 14(5) 525(135)
( )内死亡患者


表48 乳癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間

  1年未満 1~3年未満 3~5年未満 5~10年未満 10年以上 合計
stage 0 15(1) 0 0 0 0 1 16(1)
stageⅠ 107(7) 1 3 2 5(1) 6(1) 124(9)
stageⅡ 78(13) 0 4(1) 4(2) 6(3) 6(1) 98(20)
stageⅢ 16(1) 1 0 1(1) 1 2(1) 21(3)
stageⅣ 1(1) 1 0 0 2(1) 0 4(2)
不明 1 1(1) 0 0 0 0 2(1)
合計 218(23) 4(1) 7(1) 7(3) 14(5) 15(3) 265(36)
( )内死亡患者

表49 前立腺癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間

  1年未満 1~3年未満 3~5年未満 5~10年未満 10年以上 合計
stageⅠ 15(1) 0 2 2 3 0 22(1)
stageⅡ 33(3) 1 2 1 3(1) 2 42(4)
stageⅢ 7 0 0 1 0 3(1) 10(1)
stageⅣ 1 0 0 0 0 1(1) 2(1)
合計 56(4) 1 4 3 6(1) 6(2) 76(7)
( )内死亡患者


表50 膀胱癌 術後再発、転移、重複癌等発見までの期間

  1年未満 1~3年未満 3~5年未満 5~10年未満 10年以上 合計
stage 0 22(2) 1  2 0 2 2 29(2)
stageⅠ 31(8) 7(2) 4(2) 1 2 0 45(12)
stageⅡ 6 0 1 0 0 1 8
stageⅢ 0 0 1(1)  1(1)  1(1) 0  3(3)
stageⅣ 2(2) 0 1(1) 0 1 0 4(3)
合計  61(12) 8(2) 9(4) 2(1) 6(1) 3 89(20)
( )内死亡患者


図39

4.結果
 院内がん登録統計3-a.がん登録統計(院内がん登録データベースより)、1)部位別での統計では、平成28年の新規発生がん患者 部位別 登録年別統計で一番多かったのが胃癌68件で次いで結腸癌65件、前立腺癌65件が同一件数だった(表1、図1)。診断年別統計では胃癌48件、前立腺癌43件、結腸癌42件の順で登録が多かった(表2、図2)。特に際だったのは前立腺癌の割合が平成27年で15%、平成28年で16%となっており平成26年の7%の約2倍に増加していた(図3)。2014年全国集計から抽出した全国及び山形県の集計を盛り込んだ図3を比較してみると、肺癌の割合が全国11%、山形県10%に対し当院では21%と多く、胃癌の割合が全国11%、山形県18%に対し当院では24%と多かった。平成26年の性別での部位別比較では、当院の男性の胃癌28%、肺癌20%の割合に対し、全国では前者が14%、後者が14%となっており、山形県では前者が20%、後者が12%と当院より少なかった(表3、図4)。女性では肺癌23%、胃癌17%となっており、全国では前者が8%、後者も8%、山形県では前者が7%、後者が14%と男性と同じく当院より少なかった(表4、図5)。診断日が平成28年および平成27年の新規登録がん患者の部位別ステージ分類を比較してみると、平成28年では胃癌のステージⅠが25件、前立腺癌のステージⅠが22件となっており、平成27年では胃癌のステージⅠが29件、前立腺癌のステージⅠと肺癌のステージⅣが24件となっていた(表5,6)。2)性別での登録では男性が1910件で57.8%、女性が1393件で42.2%と男性が多かった(表7,8、図8,9)。特に診断年が平成26年においての女性95件に対し男性が171件で女性の約1.8倍となっていた(表8,図9)。3)発見経緯別統計では全体的に自覚症状と他疾患の経過観察中が多かった(表9、図10)。2014年全国集計の統計には自覚症状がなかったので、当院の自覚症状とその他を加えたものと2014年全国集計のその他を比較してみたが同様であり当院との差はあまりなかった(図11)。当院で多く登録される胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌の発見経緯別での比較では、乳癌での自覚症状が57%、前立腺癌での他疾患の経過観察中が53%と多かった(図12)。4)部位別年齢統計では60~80歳代での発症があわせて2,592件で全体の78.5%を占めていた(表10、図13、図14)。部位別では乳癌が他のがんより早く40歳代で70件、50歳代で63件と他のがんより早い段階で発症する事がわかった(表10、図13、図14)。
 院内がん登録統計 3-b.がん患者数統計(がん患者名簿データベースより)、1)部位別、性別での男性の統計を比較してみると平成26年までは胃癌、肺癌の順に多かったが、平成27年からは前立腺癌の患者が増加していた(表11、図15)。また、全登録者数と全生存者数を比較してみると肝胆膵および肺癌患者の登録数がそれぞれ前者が125名、後者が277名に対し、生存者は前者が10名、後者が43名となっており、比率を割り出してみるとそれぞれ前者が8%、後者が15.5%という結果となり生存者が非常に少くなっていた(表11)。女性の統計では年毎に肺癌、胃癌、大腸癌、乳癌の順位が入れ替わることはあるが例年殆ど差はなかった(表12、図16)。また、男性と同じく、肝胆膵の全登録者数に対しての生存者数の割合が11%とやはり少なくなっていた。しかし、肺癌では40.2%と男性より生存者の割合が高かった(表12)。2)部位別転帰でも、平成28年登録の肝胆膵のがん患者の生存患者は2名しかおらず87.5%の方がなくなっていた(表13、図17)。平成28年がん登録患者ステージ別転帰ではステージⅣの患者46名の死亡が確認されており比率では71.9%の方がなくなっていた(表16)。全がん登録患者でも死亡患者があわせて566名となっており85.6%のかたがなくなっていた(表17)。ステージ別生存年数では平成28年登録も全がん患者の登録でもステージⅣでの1年未満での死亡が多く、前者では48名中34名の70.8%、後者では400名中384名96%の方がなくなっていた(表18、表19)。部位別ステージ分類では肝胆膵のステージⅣの患者の割合が他の部位とは異なり平成28年、全がん登録共々前者で25名中16名の64%、後者で243名中153名の63%であった(表20、表21)。当院での部位別の初期治療では全体的には手術療法が主で、次いで化学療法、緩和ケアが多かった(表22、表23)。但し肺癌や前立腺癌では他院への紹介が多く、肺癌では化学療法、緩和ケアに次いで、前立腺癌では手術、内分泌療法に次いで多かった(表22、表23)。
 院内がん登録統計 3-c.当院の主要がん患者統計、1)胃癌根治術の統計を比較してみると占拠部位別では胃中部が最も多く152件、次いで胃下部が141件となっていた(表25、表27、表28)。また、手術術式では幽門側胃切除術が最も多く140件、次いで胃粘膜剥離術の108件となっていた(表27)。病理組織型では、高分化型管状腺癌が最も多く153件、次いで中分化型管状腺癌の96件であった(表28)。胃癌手術症例(平成20年~平成28年)の累積生存率ではステージⅠの5年では90.75%、Ⅱでは75.02%、Ⅲでは55.72%となりステージⅣでの5年生存者はいなかった(表29、図31)。大腸癌根治術ではS状結腸癌が最も多く115件、次いで上行結腸の71件であった(表31、表33、表34)。手術術式では結腸右半切除術が最も多く80件、次いで粘膜切除術等の93件であった(表33)。また、病理組織型では中分化型管状腺癌が最も多く238件、次いで高分化型管状腺癌が125件であった(表34)。アプローチでは平成25年から腹腔鏡補助下の手術が徐々に増加してきた(表32、図32)。大腸癌手術症例(平成20年~28年)累積生存率では、5年の生存率がステージ0で100%、Ⅰで92.47%、Ⅱで78.13%、Ⅲで65.09%、Ⅳでも15.81%の生存率だった(表35,図33)。乳癌手術症例での腫瘤占拠部位では左内上部と外上部が同じく27件と多かった(表37)。右側では外上部が40件と最も多く、次で内上部の23件であった(表37)。病理組織型では、浸潤性乳管癌 充実腺管癌が最も多く59件、次いで浸潤性乳管癌 硬癌が40件であった(表38)。手術術式では、乳房切除術+腋窩郭清術が最も多く46件、次いで乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検術の37件であった(図36)。乳癌手術症例(平成20年~28年)累積生存率での5年生存では、ステージ0では100%、Ⅰで97.22%、Ⅱで87.66%、Ⅲで100%となっており、Ⅳでの5年生存者はいなかった(表41、図37)。前立腺癌の累積生存率での5年生存では手術施行患者は100%、と内分泌療法施行患者のステージⅠ患者が共に100%、Ⅱでは96.15%、Ⅳでは43.6%となったおり、Ⅲでは症例数が少なく生存者はいなかった(表41、図36)。肺癌の化学療法施行患者(平成21年~28年)累積生存率ではステージⅠで5年生存率が57.14%、Ⅲで9.5%であった。Ⅱでは症例数が少なく3年生存で83.33%となっており4年生存者はいなかった。また、Ⅳでは3年生存で3.72%で4年生存者はいなかった(表45、図38)。
 院内がん登録統計 3-d.術後再発、転移、多重がん等に関する統計では当院で多く手術を施行する胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、膀胱癌について分析した。胃癌、大腸癌、膀胱癌では1~3年で再発、転移、または他部位にがんを発症する症例が多かった。一方で、乳癌、前立腺癌では10年以上経過してから再発する症例がすくなくなかった。なお、胃癌は短期間の再発ばかりでなく、10年以上の長期経過観察後に再発する症例も他のがんより多く認められた。全体的には、乳癌82%、胃癌81%、大腸癌75%、前立腺癌74%、膀胱癌69%で再発を認めなかった(表46,47,48,49,50,図39)。 

 5.考察
 今回も前回に引き継いで国立がん研究センター がん対策情報センターが公表した2014年全国集計から抜粋して当院との比較を試みた。平成26年の当院の院内がん登録 部位別統計と報告書を比較してみると前回公表した平成25年と同様に肺癌、胃癌の割合が高かった。当院で肺癌21%、胃癌24%に対し全国では肺癌11%、胃癌11%となっており山形県では肺癌10%、胃癌18%となっていた。それに対し全国、山形県共々その他のがんの割合が前者が30%、後者が27%と高く、当院での婦人科、血液内科等の常勤医師がいないための結果がここにあらわれていると思われる(図3)。男女別でも同様で当院の男性の肺癌20%、胃癌28%に対し、全国で前者が14%、後者が14%、山形県では前者が12%、後者が20%となっていた(図4)。女性ではその差が顕著で当院での肺癌23%、胃癌17%に対し、全国では前者が8%、後者が8%、山形県では前者が7%、後者が14%に対し、その他のがんでは当院での17%に対し、全国41%、山形県では39%となっていた(図5)。当院での常勤医師による婦人科医師の診療がなされていないことが原因と思われる。発見経緯別では、他疾患の経過観察中が当院40%、全国29%、山形県30%となっていた(図11)。当院での平成21年、22年での他疾患の経過観察中では前者が33%、後者が29%となっていることから、近年中においての外来スクリーニングが行き届いてきた結果ではないかと思われる。特に前立腺癌では他疾患の経過観察中が53%と飛び抜けて高かった。これは、高齢の男性患者に対して行う前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA検査が患者に対して負担もなく容易に施行できることがこの結果を生んだのではないかと思われる(図12)。当院の初期治療においての統計では、肺癌と前立腺癌の紹介が多い結果となっている(表22,23)。肺癌については呼吸器外科の常勤医師がおらず、手術対象の患者は他院へ紹介となるケースが多く、手術終了後再度当院で経過観察するのが通常となっている。前立腺癌の紹介が多いのは、前立腺癌手術のうちでロボット支援手術(ダ・ヴィンチ)を希望する患者や放射線治療を希望する患者が多いための結果である。
 前回から取り入れた胃癌、大腸癌、乳癌における手術症例の累積生存率に加え前立腺癌手術症例と内分泌療法のステージ別の累積生存率、膀胱癌手術症例の累積生存率、肺癌の化学療法の累積生存率を新たに取り入れた。その中で膀胱癌手術症例でステージ0の患者の生存率が4年目からステージⅠと逆転している結果となっていた。7年を比較してみるとステージ0で41.99%、ステージⅠで84.22%となっている(表43、図37)。その結果からステージ0の膀胱癌患者を検証してみると49名中25名の患者が他部位のがんを併発しているか数年後に再発している事がわかった。その中でも特に5名の患者は膀胱の他に2か所以上別部位にがんが発症していたことがわかった。これらは、膀胱癌が初発ではなく他のがんが初発で数年後に膀胱癌が発症したケースが殆どだった。他のがんとは異なり膀胱癌では、再発および多重がんが非常に多い。これに対して膀胱癌と同じくステージ0の分類がある大腸癌、乳癌では、膀胱癌と異なって手術症例累積生存率が8年経過しても100%となっているという事実は膀胱癌が他のがんに比べ多重がんになりやすいことを示唆するものである。一方膀胱癌を合併する他部位のがんとしては、泌尿器系のがんのみならず、消化器系がん、呼吸器系がん、乳癌など多岐にわたっている。これらのことから膀胱癌と診断した場合、多部位のがんの発症を捉えるために全身のスクリーニングを行うことが理想であると言える。
 当院では呼吸器外科の常勤医師がいないため、肺癌手術症例に値するステージⅠ、Ⅱの症例は他の病院に紹介することが多い。そこで肺癌については化学療法症例における累積生存率を計算した。ステージⅠやⅡは他疾患を併発していたり高齢の方で手術対象とならない症例が多いため少ない症例数での算出となった。ステージⅠの5年生存率は57.14%であった。また症例数の多いステージⅢでは1年生存で45.78%、6年生存で5.95%、ステージⅣでは1年生存で38.52%、3年で3.72%であった。限られた期間ではあるが、人生の最終段階にあるがん患者にとっては、人生の“終活”のための時間が得られて心のゆとりと最期を迎える準備ができることにつながるのではないかと思われた(表45、図38)。当院で累積生存率を算出する場合、電子カルテ上での患者の来院情報を確認して月数を割り出している。本来ならば追跡調査による生存確認が必要ではあるが、個人情報保護法が施行されている現在ではその業務は用意ではないために前記で示したような方法で行った。従って消息判明率はどれもあまりよくなかった。特に大腸癌の消息判明率は83.04%と最も低かった(図33)。大腸癌の場合、便潜血反応等の検診後、あるいは他医からの紹介を受けその後に当院で内視鏡を施行しがんが見つかったというケースが多く、その場合、患者は紹介元へ戻っての治療もしくは経過観察となるため、当院での継続的なフォローアップができなくなり、生存不明のケースが多くなってしまうのである。追跡調査による生存確認ができれば生存率は上がるのであろう。

6.さいごに
 顧みますと当院の院内がん登録は、平成23年11月に認定された「日本がん治療認定医機構 認定研修施設」の所定条件を満たすために平成22年に急遽始めた事業でした。そのため日頃秘書が使用していたソフトを利用し、医師と協力しながら様々な検索、統計処理ができるようにソフトを開発設計しました。この独自のシステムにより当院の院内がん登録を開始し、今日まで継続してきました。しかし、このたび、この業務は当院医事課に引き継がれ、今後、全国がん登録事業開始を契機に国立がん研究センターが開発したソフト Hos-CanR Next2)を院内がん登録用ソフトとして使用することが決定されました。ところが、現在のところHos-CanR Nextでの検索および統計処理方法が確立されておらず、医師の希望で秘書が開発したソフトへのデータ入力が引き続き行われてきました。しかし、現状のコンピュータ動作環境ではまだ動作するものの、基本ソフトはすでに廃盤となりバージョンアップする事ができないため、将来的には動作不可となる可能性があります。また、データの入力から分析まで操作可能なスタッフが1名のみであり、病院のデータ管理体制上の問題から後継者を育成することができませんでした。今後、引き継ぎ期間が約1年あり、当院がん診療部門の医師をはじめとするスタッフの期待に応え続けるべくHos-CanR Next2)の検索、統計処理方法の研究を含め、院内がん登録事業の継続を医事課職員に期待する所存であります。



文献
1)髙橋ちえ他:カード型データベースソフトを用いた当病院独自の臨床データ管理の構築、三友堂病院医学雑誌 3:35-42,2002
2)http://ganjoho.jp/reg_stat/can_reg/hospital/info/support_software.html
3)http://hospital.sanyudo.or.jp/656.html
4)http://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2014_report.pdf
5)http://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2014_report.pdf,p77-78
6)http://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2014_report.pdf,p79-82
7)http://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2014_report.pdf,p100


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