中長期計画(2016年-2020年)

2011年9月12日

《前中長期ビジョン(2011年-2015年)の評価・検証》

 《中長期ビジョンの方向》

 2011年度~2015年度は、東日本大震災(3.11)の甚大な被害から日本が復旧、復興とともに歩み出した期間と言える。一方、我が国の医療政策は、東日本大震災を踏まえた災害に強い医療供給体制の構築を含め、充実が求められる領域の適切な評価や医療・介護の機能分化と連携の推進など、4つの視点を継続しながら、社会保障と税の一体改革案に盛り込まれた医療提供体制の見直しの議論がされている。特に当院に関係する高度急性期・一般急性期病床の機能の明確化と機能に合わせた評価、平均在院日数の短縮と長期入院患者の評価の適正化、重症度・看護必要度の見直し、入院早期からのリハビリの推進等、在宅医療においては、質の高い在宅医療の提供の推進、在宅療養支援診療所・病院の機能強化等、外来医療は外来の機能分化の推進・主治医機能の評価等が着実に実施されている。このような中、当三友堂病院は、「法人理念の下、常に地域住民のニーズ、地域住民の幸せを第一義としていく」とし、急性期及び専門医療を中心とし質の高い医療提供を目指し2011年からの中長期計画を実行してきている。

《評価・検証》

 法人としては、新公益法人法の施行により、一般財団法人三友堂病院として2013年度に新たなスタートを切った。2014年10月には待望の地域リハ・ケアセンターが完成し、サービス付き高齢者向け住宅とヘルパーステーション、院内保育所が新たな法人関連施設としてオープンした。三友堂病院は、2011年度を境に医業収益が減少傾向となったが、その要因の一つとして挙げられるのが病棟の老朽化である。これにより療養環境の悪化、建物動線の非効率性に起因する労働環境および生産性の悪化、医療安全・感染制御などの管理上の問題も大きく取り上げられる。これらを踏まえ新病院建設プロジェクトでは置賜医療圏の人口動態の変化に即した医療供給体制の構築と急性期医療を軸としたマグネットホスピタル化を目指し議論を進めている。

《今後の展望》

 国は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現することを目指している。今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要となることは確かであろう。人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部と比べ当地域では75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する。地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要ではあるが、このような大改革の中で医療機関にとっては病床区分(超急性期から慢性期の範囲)の転換やダウンサイジング等厳しい対応を迫られることが予想される。

《ミッション&ポジショニング》

1.ミッション
 地域の方々が望む質の高い医療を提供し、この地で安心して生活できることを実感していただく。

 地域全体をみれば2次医療圏から3次医療圏への患者流出が増加する傾向にあり、目指す地域完結型医療で言えば当院で保有する診療科を疾患別に評価する必要がある。
 
2.ポジショニング
 急性期機能と地域包括ケアシステムの中心的役割を果たすため地域の中核病院となる。                                                                      
 1)急性期医療、専門医療を中心とする質の高い医療の提供
 2)質の高い予防医療の実施により地域住民の健康管理を行う
 3)マグネットホスピタルとしての地位確立
 4)他の医療機関や介護関連機関との協働による地域完結型医療の実施

《経営概念》

 常に患者満足度、職員満足度、経営の質に視点をおき、病院組織の持続安定を図る。

 団塊の世代が主要顧客となる中、患者の権利意識の高まりと多様なニーズへの対応は喫緊の課題であり、地域への貢献(利益還元)の視点もさらに必要になる。職員満足においても、働きがいのある職場環境作り、ワークライフバランスの推進を着実に実行しなければ良質な医療人の確保は困難となる。経営面では、診療報酬の引き下げなどにより制度的な期待感は薄く、これまでと同様に経費削減、効率化を進めることになるだろう。

   
   



《三友堂病院 中長期計画(2016年度~2020年度)の骨子》
~ 2025年を見据えた医療・介護供給体制の構築 ~

  《基本方針》

1.医療提供体制の充実
 a.米沢市を中心とし質の高い急性期医療・専門医療を提供する
 b.救急医療から在宅医療まで切れ目のない医療提供体制を整備する
 c.地域での病病・病診連携を構築し地域完結型医療の役割を担う
2.教育・職場環境の充実
 a.質の高い急性期医療・専門医療を提供するため医師の確保・育成に努める。また、医師
   に対する業務負担軽減、処遇改善、職場環境の整備を行う
 b.職員の教育・研修体制を充実させ、安全安心の医療供給体制を構築する
 c.福利厚生の充実と待遇改善を図り、無形の財産である職員を大切に育成する
3.健全経営(財務基盤の安定化)の実現
 a.三友堂地域包括システムの連携を深め、医療から介護までシームレスに事業を展開する
 b.診療報酬改定や地域医療構想等の外部環境の変化に対応できる柔軟な組織運営を目指す
 c.常に経営改善に取り組み、収支の安定化を図ることで必要とされる医療を永続的に提供する

                                                                                  ※新病院建設を念頭に置いた基本方針

 

《行動指針》アクティブな組織(自ら考え行動できる組織)を目指す

1.医療の質向上(科学的根拠に基づく質の可視化)
 ・正確なデータを現場の改善活動に活かす
 ・各指標のオープン化
 ・退院支援強化
 ・救急患者受け入れ体制の整備
2.いきいきとした働きがいのある職場づくり
 ・教育体制と人材育成
 ・ワークライフバランス推進による健康増進
 ・雇用のあり方と人材活用(高齢者雇用と人員配置)
3.経営の質向上(明るい将来に向けた財源の確保)
 ・病院建築費用計画の作成
 ・医業利益計画の達成
 ・適正費用への取り組み
4.顧客満足の促進
 ・超高齢化に対応した病院アメニティー改善


《経営指標》目標値

・病床稼働率(動態)85%以上
・入院患者数(動態)158人~162人/日
・平均在院日数 13日
・新入院患者数 360人/月
・救急車搬送件数 90件/月
・全身麻酔による手術件数 250件~300件/年
・重症度、医療・看護必要度 一般病棟:26%以上
・入院単価 52,000円
・外来単価 12,000円
・紹介率 40%以上
・逆紹介率 35%以上
・人件費率 55%以下
・経費率 17%以下
・未収金残高 20,000千円以下

05192