[眼科手術]緑内障

2009年6月16日

前眼科科長 平松類

 緑内障の手術というのは白内障などと違って悪くなるのを防ぐというのが主な目的です。悪くなるのを防ぐ方法としては現在のところ眼圧を下げるというのが効果があるといわれているため手術は眼圧を下げる治療となります。眼圧とは目の圧力(目の堅さ)のことです。目の球の中には水が作られて流れていくという「流れ」が存在します。しかしその流れが悪かったりすると中に水がたまりすぎてしまい眼圧が高くなります。

 そこで(繊維柱帯切開術・繊維柱帯切除術)という2つの方法があります。繊維柱帯切開術に関しては流れの悪い所を切って流れを良くしようという方法です。白目の所からシュレム管というのを探しそこから目の玉の中の流れ道を外に出してあげるという方法です。白目のところは強膜・結膜に分けて縫い付けて終了です。30分~1時間程度の手術となります。この手術の良い点は目の玉の中だけに作用するようにするので感染の危険が少ないということです。また手術後も細かな治療などがいらなくなるというのもいい点です。悪い点としては眼圧の下降効果が少ないという弱点があり10台後半に落ちつくことが多いです。20mmHg以下になるのが60%、15mmHg以下になるのが20%程度といわれています。

 繊維柱帯切除術に関しては流れが悪いので新しい流れを一つ作るという方法です。目の玉から白目の所に水の流れ道をつくりそこ(強膜)を縫い付けてしまいます。強膜のあと結膜といって白目の皮も縫いつけます。目の中から流れ道ができるので手術をしたところはぷくっと膨らむことが多いです。また強膜に縫い付けた糸は後日、レーザーや針で切って眼圧を調整することになります。この手術の良い点は眼圧がよく下がるという点があります。悪い点としては、絶えず通り道が外に通っているので激しい感染症の危険があるという点(年1%の確率)とそれがつぶれたりゴロゴロしたり、はたまた小さい穴があいてしまったりと細かいメンテナンスが必要になるという点です。そのため、手術後はなるべく海などで海水浴をするのをさけてもらったり、コンタクトも控えていただくことが多いです。また打撲が生じるような行動はできるだけ避けていただきます。

 それぞれいい点、悪い点がありますが、どちらの手術にも言えることですが眼圧下降効果は一生続くものではなく5年程度で戻ってしまうこともあります。また手術後は一過性に眼圧があがったり下がりすぎたりしてしまうことがあります。そのために飲み薬・目薬が必要になることもありますし、さらなる手術を必要とすることもあります。また手術により見やすくなるわけではなくむしろ見づらくなることの方が多いです。しかし、放っておいて見づらくなるよりは手術をした方がその悪化が緩やかなので手術をするというのが一般的です。

 繊維柱帯切開術に関しては大きな合併症としては前房出血があります。目の前の部分に出血をしてしまい一時的に見づらくなります。そのうち戻ることが多いのですが希に洗浄しなければいけないこともあります。またデスメ膜剥離といって黒目の膜がはがれてしまうことがあります。また一過性の眼圧上昇が強くて繊維柱帯切除術を必要とすることもあります。感染症の危険性もありますが切除術に比べると低いです。

 繊維柱帯切除術に関しては大きな合併症としては感染症があります。年1%ほどに生じるといわれており、一度生じると視力低下をしてしまうこともあります。そうならないように定期的な診察やコントロールが不可欠です。また、水の流れ道を外に作るのでそこがゴロゴロしたりします。また眼圧が下がりすぎてしまいさらに縫わなければいけなかったり目の中に粘弾性物質(どろどろしたお薬)を入れなければいけなくなったりすることがあります。また、流れ道に小さい穴があいて目の玉の中に水が外に出て熱い涙のようになってしまうことがあります。その他の合併症としては脈絡膜剥離と言って目の奥の膜がはがれてくるのが0~3%、低眼圧黄斑症(眼圧が下がりすぎてものを見る中心が悪くなる)0~2.9%、出血1~38%と言われています。

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原稿&資料提供  三友堂病院眼科