[消化器疾患]大腸の話

2008年8月6日

山形新聞のシリーズ(外科からみた消化器疾患 182話)に当院外科医師の大腸の話が掲載されました。

 毎週金曜日の山形新聞に、山形大学医学部消化器・一般外科学講座が中心となって掲載している《外科からみた消化器疾患》182話(平成20年8月1日掲載(山形新聞44233号))に当院の前外科医師 牧野孝俊の《大腸の話》が掲載されました。

大腸の話 山形新聞平成20年8月1日発行(第44233号)

山形新聞平成20年8月1日発行(第44233号)原文
外科からみた消化器疾患(182話)

大腸の話

  肛門がんの症状と治療
  早期発見なら機能温存

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 今回は肛門腫瘍(こうもんしゅよう=肛門がん)の症状と治療についてです。
肛門がんは皮膚のがんの仲間のもの、痔瘻(じろう)から発生する痔瘻がん、パピローマウイルス感染によるコンジローマがありそれぞれ症状が異なります。
肛門がんの患者のおよそ25%は無症状です。そのため、発見が遅れることがしばしばあります。しかし、症状がまったくないわけではありません。症状は腫瘍ができたことによる症状が主体です。

 例えば、肛門の周囲に皮膚のがんの仲間ができれば、排便時の出血、痛み、肛門周囲のかゆみがあらわれます。通常の診察でみつかることもありますが、通常の湿疹と間違えられることもあります。なかなか治癒しない肛門のただれは注意が必要です。
 長年経過をみていた痔瘻ががん化して、見逃され発見が遅れることもあります。この場合の症状は、痛みとにおいのある膿がでてくるというものです。内痔核、外痔核、切れ痔、肛門ポリープががん化することはありません。痔瘻で長期病院にかかっている場合には、最終的には切除して病理検査を行う必要があります。
 コンジローマの場合は、肛門周囲にできる特徴的ないぼです。かゆみなどで、さわった際に、おしりがガサガサとカリフラワー状に荒れていたら一度診察をお勧めします。
 治療もそれぞれの病態によって異なります。皮膚のがんは基本的に手術を行います。手術で皮膚を切除、リンパ節転移が考えられれば、必要な部位のリンパ節を郭清する手術が行われます。肛門を温存する治療の場合は、再発を抑えるために、放射線治療を併用することもあります。

肛門がんの症状と治療  進行すると、とりきるために肛門を残せない可能性もあります。この場合は、人工肛門になります。
痔瘻がんでは、がんが進展した部位を含めた完全切除が必要です。術後の病理学的検査結果によって、追加の補助化学療法(抗がん剤)が行われることもあります。
 パピローマは、抗がん剤を含んだ軟膏を塗ったり、凍結させていぼをとったり、レーザーで焼き切るといった治療が行われます。パピローマの段階での治療は皮膚科で行われます。肛門がんの前がん病変と考えられているため、気になることがありましたら早めの受診をお勧めします。
 肛門がんといっても、かならず人工肛門になるわけではありません。外科だけでなく、放射線科、皮膚科と合同でいろんな治療を組み合わせることによって肛門を温存するための治療を行っております。より早期であれば、肛門機能を温存することができ、心配があれば、早めに受診することがが重要です。

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原稿&資料提供  三友堂病院外科